妻名義副業でできることできないこと
妻名義副業でできることできないこと

2017/9/22

 
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現在は会社に勤めているけれども、将来は起業をするために副業として徐々に事業を始めようという人や、より多くの収入を得るために副業をしようという人など、副業に興味を持つ人は多いのではないでしょうか。副業を始めるにあたっての選択肢の一つに、妻名義副業があります。今回は妻名義で副業をすることのメリット・デメリットを詳しく説明していきたいと思います。

副業って禁止なの?

一般的に副業が可能かどうかは、勤める会社の就業規則に依存します。近年、副業によって得たスキルが本業に活かされるという観点から副業を認める会社が徐々に増えてきているものの、副業を禁止する会社が依然として多いのも事実です。副業をしたいと思ったら、まずは会社の就業規則を必ず確認しましょう。
また公務員の場合、国家公務員法や地方公務員法に則り、原則的に副業は禁止されています。
では仮に、会社で副業は禁止されているが、どうしても副業がしたいというときはどうしたら良いのでしょうか。このようなときには、副業を妻名義で行うという方法が1つの有効な手となります。また副業が認められている会社であっても、妻名義で副業を行うことで得をする場合があります。
以下では妻名義での副業のメリットとデメリットを考えていくことで、どのような場合において妻名義の副業が効果的に利用できるかということやリスクを見ていきましょう。

妻名義にすることのメリット

副業を妻名義で行うメリットとして、副業がばれないことと、所得税の節税ができることの2つが挙げられます。

副業がばれない

先ほども申し上げたように副業が禁止されているような会社では、ばれないということが何よりも大きなメリットです。これは当然リスクを負うことにもなりますが、一応は副業が可能となります。また副業が認められている会社でも、ばれないことはメリットになりえます。上司や職場の同僚に知られなければ、本業のミスを副業のせいにされたりすることもなく、本業と区別して気持ちよく副業を行うことができるためです。妻名義の副業の効果的利用の一つの例です。

所得税の節税

2つめのメリットは、副業の所得を名義人である妻の所得として申請することにより、ご自身の所得は増えないため、自分名義で副業をするよりも所得税が節約できるというものです。
たとえば、課税される所得金額が元々900万円であったときに、副業により50万円増えて950万円になったとします。50万円増えただけでも所得税率は23%から33%に上がります。すると実際の所得税額は、900万円のときに900万円×23%-63.6万円=143.4万円であったものが、950万円では950万円×33%-153.6万円=159.9万円となるので、16.5万円上がることになります。
副業を妻名義にすれば、この増加分の支払いを回避し、所得税が16.5万円も節税できます。

☆ヒント
この所得税節税については、注意しなくてはならないポイントがありますので、ここでさらに詳しく見ておきましょう。
税法において、「実質所得者課税の原則」という重要な原則があります。これは、資産または事業から生じる収益に対する課税は、名義や形式にとらわれずに実質的に所得を得ている個人に所得税が課されるというものです。親族内での事業において実質的に所得を得る者とは、経営指針に支配的影響力を持つ人、それが明らかでない場合は生計を主宰している人と定義されています。
この考え方に基づけば、名義が妻のものであったとしても、所得税は実質的な経営を担う事業主に課せられることになります。そのため一般的に想定される妻名義の副業の形態では、節税を受けられる可能性は低くなっています。所得税節税を利用するには、妻が実質的に所得を得るようなシステムの構築が必要となるでしょう。
以上から、所得税の節税というメリットを受けるには、親族内の誰かが経営指針に支配的影響力を持つ副業を行うといったようにする必要があり、一筋縄ではいかないということが分かります。もし、実質所得者課税の原則を破って所得税の節税をしていた場合には、税務調査などによって修正申告を求められることがあります。多くの場合、追徴課税や延滞税を納める必要が出てくるので、損を被ることになりかねません。実質所得者課税の原則は頭に入れておきましょう。

このように難しい税金の考え方もあるため、手軽な節税法だといって安易に飛びつかず、税法との兼ね合いを考慮した上での節税を心がけましょう。しかし本業の仕事もこなしながら、副業の税務まで全てを把握するのは難しいかもしれません。このようなときは税理士を利用してみてはいかがでしょうか。ビスカスでは、税法に精通した優秀な税理士を多数紹介しています。

妻名義にすることのデメリット


次に、妻名義の副業のデメリットを確認していきます。デメリットは、妻が扶養から外れてしまう可能性があること、多額の損失を受けたときに妻が大きな被害を受けるということ、税法に背く可能性があることの3つがあります。

妻が扶養から外れてしまう可能性がある

これは上で申し上げた実質所得者課税の原則をクリアし、妻の所得とみなされたときの話となります。
仮に副業を含めた妻の所得が103万円を超えてしまった場合には、妻の配偶者控除が適用されなくなります。したがって妻の分の所得税を払わなくてはいけなくなるので、税額が高くなります。また、副業を含めた妻の所得が130万円を超えてしまった場合には、妻が夫の被保険者から外れてしまいます。これによって、妻が自分で健康保険に加入する必要があり、年金に関しても自己負担しなくてはいけなくなるため、出費が多くなります。
これらの出費の増加を考慮した上で妻名義にする必要があります。200万円以上の所得など、納得できる収支のボーダーラインを決めてから、行おうとしている副業がそれを満たすか精査し、妻名義にするとよいでしょう。また、見込める収入が100万円以下の場合に妻名義にするというのも良いでしょう。出費以外にも、妻の確定申告の手間が増えるという面も考慮してみてください。

多額の損失を受けたときに妻が大きな被害を受ける

事業の名義が妻になっているため、損失の責任も妻にいってしまうということです。万が一副業で大きな借金を抱えた場合などには、妻の人生を狂わせかねません。妻名義で副業をする場合には、リスク管理という観点からの熟慮を重ねた上で、妻との話し合いをする必要があります。

税法に背く可能性がある

最後の点は、すでに説明した実質所得者課税の原則を破ってしまう可能性があるということです。詳しくは先ほど説明した通りです。

まとめ

今回は、妻名義の副業について考えてきました。妻名義にすることによっていくつかのメリットを享受できるものの、考慮すべきリスクも多いということが一番認識すべきことだと思います。目先の利益だけでなく、以上で述べたメリット・デメリットを全て検討した上で利用するようにしてください。

細井山豊
東京大学卒。現、同大学院所属。
ベンチャー企業の経営やビジネスを学んでおり、経営に役立つ様々な知識やノウハウを習得中。
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