事業主必見!
会社と社員のどちらも喜ぶ人件費の使い方!
事業主必見!  会社と社員のどちらも喜ぶ人件費の使い方!

2017/9/1

 
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • Google+でシェア
  • LINEでシェア

事業主のみなさんの中には、人件費の使い方に悩まされた経験のある方も多くいらっしゃることでしょう。人件費を税金の観点から切り取って、できる限り無駄を減らし節税する方法を説明していきます。社員のモチベーションアップという点も考慮に入れながら、会社と社員どちらにもメリットのある人件費の使い方をご提案します。

人件費の種類

まず、人件費とは従業員を雇用するためにかかる費用を指します。大別すると、以下の5つの費用に分けることができます。

・給与

従業員へ支払われるすべてのものを指します。毎月の給料などは、人件費として最初に思いつくものですが、残業代や交通費手当、ボーナスなどの賞与も同じく給与として人件費に数えられます。
役員報酬
他方、役員へ支払われるのが役員報酬です。この役員報酬が、後ほど人件費と税金の関係を考えていく上でのキーポイントとなります。
福利厚生費
まず「法定福利費」といい、社会保険料・労働保険料のうちの会社負担分の費用があります。これに加えて健康診断や社員旅行など、人件費という言葉からは少々想像しにくい様々な費用も福利厚生費に含まれます。
退職給付費用
退職引当金や退職年金掛け金などの退職金関連の費用がここに入ります。この費用も人件費として再認識しておく必要があります。
・その他
採用費、従業員の研修費などがあります。

節税に関わる人件費

人件費の種類が確認できましたので、次は人件費にかかる税金の仕組みを理解して、人件費を節税に有効活用するための指針を見つけていきましょう。
節税に関して何よりも重要なのが、費用を損金算入できるかどうかという点です。損金算入とは、人件費などの各種費用を経費として計上することを言い、損金算入額が増えるほど支払わなくてはならない税金を減らすことができます。
実は、上で示した人件費のほとんどは損金算入が認められています。しかし例外として役員報酬の中には損金算入が認められないものがあります。それは(1)役員報酬の過大部分、(2)役員賞与、(3)社長の親族に対する賞与の3つです。順に詳しく見ていきましょう。

(1)役員報酬の過大部分

従業員と会社は雇用関係が成り立っているのに対し、役員と会社は委任という関係であるため、従業員と役員の給料は取り扱いが違います。具体的にいうと、役員報酬は原則として毎月定額で支払われなくてはいけません。この定額の部分に関しては損金算入されるのですが、超過した部分に関しては損金算入することができません。
しかし、この(1)に当てはまっても、事前に申請している場合や利益に連動して役員に支払う場合は、一定の条件を満たした上で損金算入をすることが可能となります。

(2)役員賞与
上述のように役員は定額の報酬を受けなくてはいけないため、臨時の給与である役員賞与については、損金算入することができません。

(3)社長の親族に対する給与
法律上、社長の親族は「みなし役員」として役員同様の扱いになることが多いです。そのため、社長の親族が従業員であったとしても、(2)の役員賞与の損金不算入が当てはまってしまうことがあります。

以上の(1)~(3)に当てはまる金額が大きい場合は、同じ金額を損金算入可能な名目で支給する場合と比べると、多くの税金がかかっているということになりますので、見直してみてもよいかもしれません。

また、節税のために役員報酬額の設定を高くしすぎるなどすると、税務調査に引っかかる可能性があるので注意が必要です。この税務調査の際のチェックポイントとなるのが、役員報酬額が過大でないか、みなし役員に該当する者がいるかどうか、役員報酬額が変動していないかなどがあるので、節税対策の前に合わせて抑えておきましょう。

人件費の有効利用

以上を踏まえた上で、人件費の有効利用法は6つあります。節税と、社員のモチベーションアップの2つの面から見ていきましょう。

・損金算入可能な人件費の再チェック

一見当たり前のことのように思われますが、意外と見落としがちな項目も多いので、損金算入できる項目の再確認をしましょう。例えば健康診断、社員旅行などの費用は福利厚生費となるので、人件費として損金算入することができます。
役員賞与は損金算入することができないため、役員報酬をより多く渡したい場合には事前の申請を行って損金算入可能な報酬を支払うようにしましょう。
両者ともに行うことで、結果的に大きな節税効果が望めます。

・所得拡大促進税制の利用
所得拡大促進税制とは、平均給与支給額が対象の事業年度の前年度より高く、給与支給額が2~5%(期間により異なる)増加している場合に、給与支給増加額の10%を法人税から税額控除するというものです。青色申告法人が対象の税制です。人件費の1つである給与を従業員のために上げたいと考えている場合には、この所得拡大税制を利用すると、従業員にも会社にもメリットがあるのでおすすめです。

・家族経営の小さな会社では、人件費を多くする
前の章で述べたように、人件費のほとんどは損金算入ができます。そのため、家族経営の小さな会社などでは人件費を多くすることにより、給与などが上がるという事業主や社員へのメリットと、損金算入額を増やし節税ができるという会社へのメリットの双方を受けることができます。

・役員に従業員としての退職金を渡す
これから役員となる従業員に対して従業員としての退職金を渡すことで、従業員のモチベーションを上げるとともに、損金算入できる臨時報酬として扱うことができます。

・未払い計上を行う
人件費に関する節税方法の1つです。債務の確定している人件費は、期末までに支払いが済んでいなくても未払い計上が可能です。期末の翌月に支払う従業員の賞与などを未払い計上することで節税が見込めます。

・人件費を外注費に切り替える
これは、節税テクニックとして知られているものです。請負契約に基づく人件費を、消費税がかかる外注費として計上することにより、決算申告において支払った消費税の増額分の控除を受けて納税すべき消費税が減り、節税になるというものです。しかし、従業員の手間が多くなるなどのデメリットやリスクも多いため、導入には慎重な検討を要します。

☆ヒント
少しでも節税したいという気持ちをお持ちの経営者の方も多いと思います。しかし、人件費と外注費の判断などはとても微妙な線引きによって行われているため、判断が難しい分野です。判断を間違えてしまうと、税金の追加徴収などデメリットが多くなります。そこで、判断に迷うようなときには、税理士に相談してみてはいかがでしょうか。ビスカスでは、節税に詳しい専門家を多数紹介しています。

まとめ

今回は、人件費と税金との関係、人件費の有効的な使い方を見ていきました。会社へのメリットという面では、節税が何よりも大きな課題になると思いますが、さらに視野を広げて、社員のモチベーションアップも見込める、所得拡大促進税制なども利用してみてはいかがでしょうか。

岡田桃子
東京大学卒。
卒業後は中央官庁に勤め、退官後ベンチャー企業に転職し、経理・法務などに携わる。
経理業務で得た知見や、中央官庁時代に得た法律や制度に関するナレッジを分かりやすく解説します。
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • Google+でシェア
  • LINEでシェア
税理士紹介ビスカス