三割規定とは?
ふるさと納税は今も節税効果は高いの?
三割規定とは?  ふるさと納税は今も節税効果は高いの?

2017/7/19

 
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ふるさと納税は地方に寄附することで地域活性につながり、その地域の特産品をもらえ、さらに節税にもなるお得な制度です。しかしその影響で東京23区の特別区民税が減収していることなどを受けて、2017年4月に総務省は返納金の三割規定を進める方針を発表しました。そんな中どのような基準で選べばよいのか、ふるさと納税の魅力と必要な知識を紹介していきます。

そもそもふるさと納税とは

ふるさと納税は、若者の地方離れによる過疎化と、それにともなって生じる財政難を改善させるために作られました。地方で生まれ育った若者は、その自治体のサービスを受けて育ったのにも関わらず、都心に移動してしまうと自分の故郷に還元する機会がなくなってしまう、という課題がありました。そのため、ふるさと納税者は自分の出身地はもちろんのこと、その他応援したい地域などを含め複数の地域に納税することができます。
ここまで納税と表記してきましたが、正確にはふるさと納税では、地方自治体に対する寄附と位置付けられます。ふるさと納税の場合、通常の寄付金と比べると高い節税効果があり、寄附金額から2000円を引いた額を所得税及び住民税から控除することができます(上限額あり)。

ふるさと納税の制度概要

寄附金のうち2000円は自己負担額となります。寄附総額からこの2000円を引いた額が所得税と住民税から控除されます。具体的には以下のようになります。

所得税からの控除

(ふるさと納税額-2000)×所得税(復興特別所得税を含む)の税率

で計算された金額分が寄附を行った年の所得税から控除されます。なお、対象となる寄附金額の上限は総所得金額等の40パーセントとなっています。
住民税からの控除(基本分)

(ふるさと納税額-2000)×10パーセント

で計算された金額分が寄附を行った年の翌年度の住民税から控除されます。上限額は所得税と割合が異なり、総所得金額等の30パーセントです。
住民税からの控除(特別分)
基本分に加え

(ふるさと納税額-2000円)×(100パーセント-10パーセント-所得税の税率)

がさらに控除されます。しかし、この特例分が住民税所得割額の2割を超える場合は以下の計算になります。

住民税所得割額×20パーセント

を住民税から控除することになります。

実質全額控除となる金額上限

上記のような仕組みから寄附金の総額と所得(によって決定する所得税率)との関係により、実質全額控除となる場合やそうでない場合があります。この上限額をふるさと納税枠と言いますが、これが平成27年より約2倍に増えたことによって、さらに利用しやすくなりました。詳しいふるさと納税枠の金額については総務省のホームページを参照してください。

ふるさと納税利用条件

寄付金控除を受けるためには、寄附をした翌年の3月15日までに確定申告をする必要があります。確定申告をすると上記のような計算により所得税分は還付され、住民税分は翌年度の住民税から減額されます。
しかし、普段確定申告が必要ない人にとってふるさと納税のためだけに確定申告を行わなければならないのは、かなりのハードルとなっていました。よりふるさと納税の敷居を低くしようと、平成27年4月よりふるさと納税ワンストップ特例制度が創設されました。この制度ではふるさと納税先が5団体以下であれば、確定申告を行う必要がなくなりました。なお、ふるさと納税ワンストップ特例の適用を受ける場合、所得税からの控除は発生せず、ふるさと納税を行った翌年の6月以降の住民税が減額されるという形で控除が行われる点には注意が必要です。

ふるさと納税のメリット

ここで改めてふるさと納税のメリットをおさらいしましょう。

お礼品を受け取ることができる

寄附金額に応じたその地域の特産物をもらうことができる場合があります。ご当地食材や酒類、ホテル宿泊券に観光施設サービス券など、団体ごとに異なりそれぞれが魅力的なラインナップとなっています。

寄付金額に応じた税金控除を受けることができる

上記の通りです。ふるさと納税枠に収まる範囲であれば、実質無料でその他のメリットを享受することができます。

寄附金の使用用途が選択可能である場合が多い。

一般的な寄附金と大きく異なる点は、その使用用途が明確でかつ選択可能であることが多いという点です。自分で選択した地方自治体や市町村のどのような活動に寄附したいのかを選択できることによって、同じ金額を寄附するのでも価値が大きいと感じることができます。

企業の場合

企業の場合、ふるさと納税額の全額を損金算入可能です。これは大きな節税効果があると言えるでしょう。さらに、寄附した事実を公表することで、社会的信頼を構築することにもつながるでしょう。

三割規定にむけて

ふるさと納税で間口を広げる政策やお礼品競争激化などにより、寄附金額は年々上昇しています。その反面、東京23区の特別区民税額が大幅に減収するなどの影響が出ていることを受けて、総務省は2017年4月にふるさと納税の還元率を3割以内とするよう全国の地方自治体に通告しました。これに伴い、まず目をつけられたのが家電です。高価すぎるお礼品は本来の趣旨とは合わないとして、有名なふるさと納税先紹介サイトでも取扱いが停止した例もあります。
総務省の通告の具体的内容は以下のようになっています。

自粛を求めるお礼品 通告内容
高価すぎるもの 価格を30パーセント以下に
金銭類似性の高いもの 商品券、プリペイドカード、電子マネー・ポイント・マイル、通信料金等は禁止
資産性の高いもの 電気・電子機器、家具、貴金属、宝飾品、時計、カメラ、ゴルフ用品、楽器、自転車等は禁止
同一自治体の場合 同じ自治体に住む人にはお礼品対象外

地方自治体ごとの対応には温度差があるものの、今後このような傾向から様々な商品についても同様に、縮小方向に向かうことが予想されます。現在まだ取り扱われているもので、魅力的なお礼品を見つけた際には、早めの決断が功を奏すかもしれません。

今後のふるさと納税の利用の仕方

高価すぎるものや金品に類するお礼品が少なくなっていく中で、2017年以降の注目のお礼品は ・米 ・肉類 ・酒 ・海産物 等となっています。どれも高価すぎることがなく、また量によってその価格を調整することができるため、今後さらなる注目を集めることになるでしょう。またこのような食料品は、その土地ならではのものが多く存在するため、その土地に出向くことなく食べることができるというメリットもあります。 お得なお礼品を紹介しているサイトで有名なものがいくつかあります。そちらを参考にし、魅力的な商品は早くに品切れとなってしまいますので、早めに対応する必要があります。 お礼品のほかにも、地域ごとの特色に合わせて寄附先を選択したい場合などは総務省のホームページ内に各地域のふるさと納税先をまとめたページがあるので参照してみてください。

まとめ

今回はふるさと納税の基本知識と現状について解説してきました。地域活性化に貢献することができてかつ節税につながるのはとても魅力的です。その一方で、本来であれば必要のない公的手続き(確定申告)も必要となります。その時々の税制の中で最もお得な寄附金額や寄附先をしっかり見定め、的確な手続きを済ませる必要があります。こういった案件に関して専門的な知識を持つ税理士の意見を仰ぐことによって、変わりゆくふるさと納税の仕組みの中でも的確な判断を下すことが可能になることでしょう。

山田隆裕
慶應大学卒。現、同大学院所属。
大学4年時に公認会計士試験に突破。
自分の知識の定着も兼ねて、会計・財務などに関する知識を解説していきます。
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