ガソリン代の勘定科目は何になる?
ガソリン代の勘定科目は何になる?

2017/4/21

 
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • Google+でシェア
  • LINEでシェア

決算時の仕訳において、どの勘定科目に分類するか迷う費用がいくつかあると思います。例えばガソリン代を考えると、どの勘定科目に当てはめるのが正しいのでしょうか。
今回は、意外と知らないガソリン代の仕訳方法について、解説していきたいと思います。

結論!常識的な範囲ならどの勘定科目でもOK!

結論から言うと、ガソリン代はどの勘定科目に仕訳しなくてはいけないという明確な決まりはありません。一般的には、「車両費」、「旅費交通費」、「消耗品費」の3つのうち、いずれかに仕訳されることが多いです。

ここで、「車両費」とは、自動車の維持管理にかかる経費に関する勘定科目です。主に自動車関連の保険料や税金、車検の費用が該当します。
「旅費交通費」は、業務に必要な旅費や交通費をまとめる勘定科目です。主に公共交通機関の交通費や、出張費などが該当します。
また、「消耗品費」とは、取得価額が10万円未満、もしくは使用可能期間が1年未満のものの費用をまとめる勘定科目です。条件が広いことからも、あてはまる費用が多く存在するのが特徴です。

業種別!ベストなガソリン代の勘定科目設定とは?

さて、ガソリン代はどの勘定科目に仕訳しても良いという結論でしたが、一歩踏み込んで、どの勘定科目に設定するのがベストな選択なのか考えていきましょう。
このときの判断基準となるのが、車の使用法や使用頻度です。

「車両費」に仕訳すると良い会社

車の使用がメインでない業種など、大多数がこの「車両費」に仕訳すると良い会社に当てはまります。この勘定科目に仕訳すると、自動車関係の費用を一元管理できるので便利、という利点があります。もしどの費用に仕訳するべきか迷った場合は、「車両費」に仕訳すると良いでしょう。

「旅費交通費」に仕訳すると良い会社

車の使用がメインであり、車の修繕など、車に関する経費のウエイトが高い業種は、この「旅費交通費」に仕訳することが望ましいです。そのような会社は、車関連の費用の中でも、ガソリン代の比率が小さくなります。そこで、ガソリン代を車両費とは別の勘定科目である旅費交通費に仕訳することで、ガソリン代が見やすくなります。

「消耗品費」に仕訳すると良い会社

車をあまり使用しないという業種であれば、この「消耗品費」に仕訳すると良いでしょう。消耗品費は極端に大きくなりやすい勘定科目のため、車を多く使う会社では消耗品費への仕訳は避けるのが得策です。反対に、車をあまり使用しないという場合はその他の雑費として消耗品費に仕訳すると楽で便利になります。

 

このタイプ分けはおおまかなものであるので、各々の会社でどの費用に仕訳をするのが良いのか考える必要があります。上記3つの勘定科目以外に仕訳しても当然問題ありません。
たとえば、運送業などガソリンの消費がとても多い会社などは、新たに「燃料費」などの勘定科目を設けて仕訳をするのも1つの手です。

勘定科目は変えないのが鉄則… 2つの注意点

ガソリン代の勘定科目は基本的には自由度が高いといえますが、以下2つの注意事項を確認しておく必要があります。

(1) 勘定科目を変えてはいけない

どの勘定科目に設定したとしても、勘定科目を途中で安易に変更してはいけません。これは一度変更してしまうと、複数年の財務分析に支障をきたしてしまう恐れがあるためです。
企業会計原則には、「継続性の原則」という決まりごとがあります。恣意的に利益操作をしているなどと、第三者に解釈されることを防ぐためにも、社内で勘定科目の取扱いを決定した上、遵守しましょう。

(2) 決算時に一定の処理が必要

決算時にガソリン代などは消費量を損金として計上し、未使用となっている分は「貯蔵品」として計上する必要があります。処理を考慮に入れて、ガソリン代が見やすいように勘定科目を設定するのが良い手でしょう。

ガソリン代と軽油代に違いがある?

ここまでは、ガソリン代の勘定科目について話をしてきましたが、同じ燃料である軽油代も同じように判断すれば良いと思う人もいるかもしれません。しかし、ガソリン代と軽油代には取扱いに違いがあるので注意が必要です。

両者の大きく異なる点は、課せられる税金の違いです。通常、ガソリン代の内訳はガソリンの本体価格、ガソリン税、石油税、これら3つの合計に課せられる消費税です。
一方で、軽油代の内訳は、軽油本体価格、石油税とこれら2つの合計に対する消費税、加えて軽油引取税となります。ガソリン税と軽油引取税の違いとして、軽油引取税は消費税の課税対象外となっています。これは、ガソリン税がメーカーに納税義務がある税金であるのに対し、軽油引取税は消費者に納税義務がある税金であるからです。

この違いのため、ガソリンと軽油の両者を勘定科目に仕訳する方法にも違いが生じます。というのも、事業が行う仕入については、消費税の課税対象かどうかに応じて、「課税仕入」と「不課税仕入」に区分して記述する必要があるためです。
ガソリン代とガソリン税はまとめて課税仕入として仕訳をすることができる一方、軽油代と軽油引取税は、課税仕入と不課税仕入に区別して仕訳しなければいけません。軽油をガソリンと同様の課税仕入として取扱うと、最終的に計算される消費税額が、低くなってしまいます。
なお軽油引取税に関しては、軽油代と区分して記述することが重要であるため、必要経費として認められている税金や負担金を指す、「租税公課」という勘定科目に分類することも税務上可能です。

 

ガソリンと軽油を区別せずに勘定科目に仕訳してしまうことは、決算期にありがちなミスです。軽油を燃料とする軽トラックを多く利用する運送会社などは、軽油取引税を軽油代と同じく課税処理してしまうと、消費税の未納問題に繋がる可能性があるので注意してください。

☆ヒント
それぞれの会社によって、適した勘定科目の設定方法は違います。しかし勘定科目に不備があった場合、税務調査において厳しく指摘される恐れがあるため、入念に対策を行う必要があります。
決算時の仕訳に不安がある場合は、税理士に相談してみてはいかがでしょうか。税理士紹介サービスを行っている株式会社ビスカスでは、決算対策に精通した税理士を多数紹介しています。

まとめ

ガソリン代の勘定科目について解説してきました。注意点に気をつけながら、自分の会社にあった勘定科目設定を行ってみてください。

株式会社プロジェクトカンパニー 松本孝輝
東京大学卒。在学中は経済工学や産業組織論を中心に専攻。
現在はコンサルティング会社に勤務し、ITを用いた集客やブランディングなど専門にコンサルティング業務を行う。
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • Google+でシェア
  • LINEでシェア
税理士紹介ビスカス