最大控除額○○円!?
知らないと損するフリーランスの確定申告
最大控除額○○円!?  知らないと損するフリーランスの確定申告

2016/11/15

 
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フリーランスの誰もが直面するのが確定申告。特に独立直後や起業直後などは何から手を付けてよいのか、そもそも確定申告をしなければならないのかなど、戸惑うことも多いはず。
本記事では、そもそも確定申告とは何であるか、確定申告をしなかった時のペナルティ、確定申告における節税方法について紹介していきます。

フリーランスの確定申告、いくらから必要?

確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の金額とそれに対する所得税の額を計算し、源泉徴収された税金や予定納税額などがある場合には、その過不足を精算する手続のことです。サラリーマンであれば会社が給与から天引きをして手続をするので特に気にする必要もない所得税ですが、フリーランスともなれば話は別。自分で所得を計算して清算しなければなりません。確定申告による納税は日本国憲法30条で定められている国民の義務なので、国は申告が正しく行われているかを確認して、行われていない場合には延滞税や無申告加算税などのペナルティが課されます。

では一体フリーランスの確定申告は、収入がいくらから必要なのでしょうか。結論から言うと、配偶者特別控除に入っていなければ38万円、入っていれば76万円です。国税庁「平成27年分確定申告特集」では、確定申告が必要な人を以下のように分類しています。

1.給与所得がある方
2.公的年金等に係る雑所得のみの方
3.退職所得がある方
4.1~3以外の方

各種の所得の合計額(譲渡所得や山林所得を含む) から所得控除を差し引き、その金額(課税される所得金額)に所得税の税率を乗じて計算した所得税額から配当控除額を差し引いた結果、残額のある方は確定申告書の提出が必要です。

フリーランスで得る所得は税制上「事業所得」に分類され、上記4に分類されます。事業所得が「基礎控除額38万円」を上回る場合、あるいは「基礎控除額38万円」+「配偶者特別控除38万円」の76万円を上回る場合は確定申告をする必要があります。

確定申告を行わないとどうなる?

フリーランスで細々と仕事しているから確定申告をしなくても税務署は気付かないだろうと思う人もいるでしょう。そんなことはありません。
FacebookやTwitterなどを通じて高価な買い物が発覚し、税務調査に繋がるケースもありますし、アフィリエイトなどで稼いでいる人の場合は、ASPに税務署から問い合わせがきて、そこで報酬があるのに未申告であることが発覚する、というケースもありえます。
また今、税務調査が来ていないという場合でも、実は税務署にはばれていて、金額が低いから今の所放置されている場合や、数年後に調査される(マークされているが泳がされている)場合もありえますので、申告を行っていない人は注意が必要です。

補足ですが、株式会社マクロミルの確定申告に関するアンケート調査(2013)では、青色申告者の15%、白色申告者の7%が税務調査を受けたことがあると回答しています。この税務調査で何らかの不正が見つかった場合に課される可能性のあるペナルティは、財務省「加算税の概要」によると以下の通りです。以下を見ての通り、非常に厳しいペナルティが待っているのでしっかりと確定申告をしましょう。

1.延滞税
税金が定められた期限までに納付されない場合に課される税。延滞税の金額は原則として、納付すべき税額に対して、2カ月までは年7.3%、2カ月以降は年14.6%を乗じて計算した相当額。自主的な修正申告で減額あり。
2.無申告加算税
所得があるにも関わらず確定申告の期限までに申告をしなかった場合に課される税。無申告加算税の金額は原則として、納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額。自主的な修正申告で減額あり。
3.過少申告加算税
修正申告をしたり、税務署から申告税額の更正を受けたりした場合に課される税。過少申告加算税の金額は、新たに納めることになった税金の10%相当額。ただし、新たに納める税金が当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額を超えている場合、その超えている部分については15%。
4.不納付加算税
法定納期限後に納付・納税の告知があった場合に課される税。不納付加算税の金額は納めることになっていた税金の10%相当額。
5.重加算税
偽装・隠蔽があった場合に課される税。重加算税の金額は過少申告加算税・不納付加算税に代えて35%または、無申告加算税に代えて40%相当額。
6.刑事罰
故意でなければ1年以下の懲役または50万円以下の罰金、故意であれば最大10年以下の懲役もしく1000万円以下の罰金、または、併科(懲役と罰金両方)。

経費に計上するためにはどうしたらいいの?

フリーランスの所得税は、所得税の対象となる所得に税率を掛けて計算されます。フリーランスの収入は「事業所得」に分類されていることは上で見た通りでした。所得税法27条では「事業所得=年間総売上-必要経費」と「事業所得」が定義されています。つまり、経費が大きければ大きいだけ課税対象の事業所得が少なくなり、結果として所得税も少なくなるということです。では、必要経費には何が含まれるのでしょうか。国税庁タックスアンサー(よくある税の質問)によると、必要経費に算入できる金額は以下の2つです。

1.総収入金額に対応する売上原価、その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
2.その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額

何だかとても分かりにくいでしょう。フリーランスにとっての売上原価となる具体例はあまりありませんが、2.についてはフリーランスのレンタルオフィス賃料や仕事の打ち合わせのための会食費用などが挙げられます。

これらを必要経費として計上するには、「領収書かレシート」と「帳簿」の2点が必要です。「領収書かレシート」については言わずもがな、いつ誰が何にいくら使ったかの証明となるので捨てずに残しておきましょう。もちろん、すべての支払いで「領収書かレシート」がもらえるとは限りません。仕事の付き合いでの慶弔費や外出の交通費などです。これらのために「帳簿」が必要となります。

ここで注意が必要なのが「帳簿」への記入の仕方です。簿記として知られているように決まったフォーマットがあるので、フリーランスの事業者が単独で作ろうとしても、専門的な知識がなければ簡単にはいきません。そこで、税理士の存在がとても重要になってきます。税理士は、記帳代行サービスや会計に関するコンサルティングなどを行ってくれるため、なるべく本業に専念したいフリーランスの方の経理業務の負担を減らすことが可能になります。また、節税や経費に関するアドバイザリーを行ってくれる頼もしいパートナーになってくれるでしょう。弊社が紹介している税理士の先生方はそのサービスの質が高いことでたいへん高い評価をいただいています。

こんな節税方法が!意外と知らない経費に計上できるものとは

フリーランスとして働いている場合、自宅をオフィスとして使っていたり、自家用車を移動の手段として使っていたり、仕事とプライベートの境目をはっきりさせることは難しいこともあるでしょう。しかし、上で見た通り必要経費には、業務上かかった費用しか計上することはできません。税制はこのような部分を「家事関連費」という項目で柔軟に対応しています。

令第96条第1号に規定する「主たる部分が不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の遂行上必要」であるかどうかは、その支出する金額のうち当該業務の遂行上必要な部分が50%を超えるかどうかにより判定するものとする。ただし、当該必要な部分の金額が50%以下であっても、その必要である部分を明らかに区分することができる場合には、当該必要である部分に相当する金額を必要経費に算入して差し支えない。

つまり、業務割合が50%であれば問題なく計上でき、50%以下でも場合によっては必要経費として認めるということです。ここでは、そんなものまで!と思えるような必要経費の項目をいくつかご紹介します。

1.自宅兼オフィスの家賃
自宅家賃×オフィスの床面積割合
家賃10万円、15畳のワンルームマンションに住んでいて、3畳をオフィスとして使用しているとしたら、10万円×(3畳÷15畳)=2万円が経費として認められます。

2.光熱費
光熱費×業務時間の滞在時間に対する割合
自宅に、業務時間とあわせて16時間×30日=月480時間滞在し、自宅で月160時間業務を行い、光熱費12万円かかったとしたら、12×(160÷480)=4万円が経費として認められます。

3.任意保険代
任意保険代×全移動距離における業務上の移動距離
「車のメーターは年200キロ増えていて、そのうち業務で50キロ走行した」とき、任意保険代12万円かかったとしたら、12×(50÷200)=3万円が経費として認められます。
つまり、業務としてどれだけ使ったかをレシートや車のメーターなど記録として残しておけば家事関連費として認められるのです。また、家事関連費以外にも多くの費用が挙げられます。

4.冠婚葬祭における費用
業務上の付き合いで知り合い、今後も業務で付き合うことが明らかである相手に対するご祝儀や香典など。

5.備品など
業務で使用される10万円以下の備品(パソコンや机、携帯電話など)であれば必要経費として計上することができます。また、10万円を超えるものに関しては複数年にまたがって経費として計上する必要があります。

例からもわかるように、必要経費として様々なものを計上することができます。最寄りの税務署には税に関する相談窓口が必ずあり、多くの人が相談を行っているので、どのように経費として計上しようか迷ったら、まずは税務署への相談をお勧めします。また税理士に相談して、戦略的に節税を行うためのアドバイザリーを受けても良いでしょう。

領収書がない経費はどうすればいいの?

交通費や懇親費、自動販売機での購買など領収書がない経費には、「出金伝票」で対応します。出金伝票とは、日付・何に使ったか・金額を記す伝票のことで、文房具店やコンビニなどあらゆるところで手に入ります。ただし出金伝票はこの便利さゆえに、税務署のチェックが最も入りやすいものであり、領収書やレシートと比べると信憑性の低いものであることに注意が必要です。

懇親費であったら懇親会のプログラム、結婚式のご祝儀であったら結婚式の招待状など、実際に行動した証拠となるものを控えておきましょう。また、SUICAやPASMOは、駅の自動券売機で最大50件まで履歴を印刷できるので、交通費として費用に計上するならば、履歴を印刷して保存しておくのもお勧めします。

フリーランスにおすすめ!知っておきたい節税対策

この記事の冒頭に、所得税は「各種の所得の合計額から所得控除を差し引いたものに税率を掛けたもの」と説明しました。これまで必要経費を増やすことによって課税対象額である事業所得を減らして節税することを説明してきましたが、節税対策はもちろんこれだけではなく、所得控除を増やすことでも節税は可能です。以下、フリーランスが受けることのできる所得控除で代表的なものを見ていきましょう。

1.配偶者控除
妻や夫がいる場合に受けられる控除
2.扶養控除
子供や親など扶養している家族がいるときに受けられる控除
3.専従者控除
配偶者やその他の親族が納税者の経営する事業に従事していて、納税者がこれらの人に給与を支払っているときに受けられる控除
4.寄付金控除
国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し寄付をしたときに受けられる控除
5.確定拠出年金
確定拠出年金で拠出した時の掛金が非課税で必要経費扱いとなる
6.社会保険料控除
納税者が自分や家族の社会保険料を支払った場合に受けられる控除
7.経営セーフティ共済
取引先の倒産に対する共済保険の掛け金が非課税で必要経費扱いとなる
8.小規模企業共済
退職金のための共済保険の掛け金が非課税で必要経費扱いとなる
9.青色申告特別控除
青色申告を行った申告者が一定の条件で受けられる所得控除

まとめ

これまでフリーランスの確定申告について様々な角度から説明してきました。必要経費や控除について多くの制度が作られていて、これらを知らないだけで損をしている人たちも多いはずです。確定申告は、専門用語が多く分かりにくいだけで、その仕組み自体は難しくはありません。一歩ずつ丁寧に行って効果的な節税に取り組みましょう。

山田隆裕
慶應大学卒。現、同大学院所属。
大学4年時に公認会計士試験に突破。
自分の知識の定着も兼ねて、会計・財務などに関する知識を解説していきます。
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