法人設立ガイド! 法人にかかる税金を徹底解説
法人設立ガイド! 法人にかかる税金を徹底解説

2017/2/25

 
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起業を考える際、個人事業にするか法人を設立するかで迷う方も多いと思います。また現在、個人事業で会社を運営している方の中には法人化を悩んでいる方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、個人事業と法人の違いからメリット・デメリット、さらには法人にかかる税金の話までしていきたいと思います。お悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

法人化はお得? 法人化のメリット・デメリット比較

個人事業と法人の違い

まずは個人事業と法人の違いを知るためにも、それぞれの違いを比較してみてみましょう。

個人事業 法人
法的な責任 個人が主体となって自己責任で事業を行う。
→事業主が全責任を負う。
人間以外(法人)が権利義務の主体となって事業を行う。
→法人が責任を負う。
設立手続き 低い
→大手企業では、法人でないと取引しないところもある。
高い
→金融機関からの融資が有利。
社会的信用 低い
→大手企業では、法人でないと取引しないところもある。
高い
→金融機関からの融資が有利。
資金調達 選択肢が少ない 選択肢が多い
→株券発行による資金調達
節税対策 選択肢が少ない 選択肢が多い
会計処理 単純 複雑
交際費 制限なし 制限あり
赤字繰り越し 3年間 最大9年間
社会保険への加入 5人未満は加入義務なし 加入義務あり

法人化のタイミング

法人化のタイミングとしては、①利益が500万円を超えるとき、②売り上げが1000万円を超えるときを法人化の目安とすると良いでしょう。

①利益が500万円を超えるとき

利益が500万円を超えたくらいから、累進課税で計算される個人事業主にかかる税率の方が高くなります。法人税の税率は一定のため、法人の方が税金を安く抑えられるのです。

②売り上げが1000万円を超えるとき

売上が1000万円を超えると、消費税の納税義務が発生します。しかし新しく会社を設立した場合、一定の条件を満たしていれば2年間消費税が免除されるので、このタイミングで会社設立すると節税につながります。そのため、消費税の節税という観点から見ると、個人事業主として1年間の売上が1000万円を超えたタイミングで法人化するとその分お得です。

☆ヒント
法人化によるメリットは、実は節税に限らず、社会的信用など様々です。一方で、設立に資金が必要であったり、(事業←削除)事務作業が複雑化してしまったりといったデメリットがあるので、それらと照らし合わせてどうするべきかを判断しましょう。
節税という観点からみると、法人化するのであれば①利益が500万円を超えるとき、②売り上げが1000万円を超えるとき、を目安に考えてみてください。

法人にかかる税金は9種類

法人化したら全部で9種類の税金がかかります。税金の支払いに備えてきちんと把握しておきましょう。

税金 種類 内容 納期
法人税・
復興特別法人税
国税 所得にかかる税金です。資本金が1億円以上か未満かで計算方法が変わってくるので、国税庁のホームページでご確認ください 。 年一回
決算日から2カ月以内
法人住民税 地方税 法人税は大きく分けて以下の3つです。
均等割:所得の有無にかかわらず必ず課税される
法人割:法人税額の一定割合が課税される
利子割:金融機関などの利子に課税される
年一回
決算日から2カ月以内
法人事業税 地方税 所得の2%~5.78%の税金がかかります。詳しい計算等は東京都主税局のホームぺージで確認できます。 年一回
決算日から2カ月以内
地方法人特別税 国税 法人事業税と同じくらいの税金がかかります。地方間の税収偏在を是正するためのものです 。 年一回
決算日から2カ月以内
消費税 国税
地方税
売上の8%を消費者から徴収して国・地方に収めます。会社設立直後は支払わなくて良いことが多いです。 年一回
決算日から2カ月以内
固定資産税 地方税 土地や建物、その他資産にかかる税金です。 年4回
所得税 国税 所有している株から得る配当や金融機関からの利子の受取の際には、所得税がかかります。 年一回
決算日から2カ月以内
印紙税 国税 領収書等に貼るものです。詳しくは国税庁の「印紙税の手引き」をご確認ください 。  ―
登録免許税 国税 各種登録の際かかる税金です。会社設立の時にもかかります 。  ―

税金を滞納したらどうなる?

各税金に定められた納付期限までに税金を納付できていないと、「滞納者」とみなされ、「延滞税」というものがさらにかかることになります。この延滞税は年14.6%の割合で計算されます。

ただし、2ヶ月以内の滞納であれば、延滞税の負担は軽くなります。滞納している可能性がないかどうか、国税庁のホームページで確認してみるとよいでしょう。

さらに、滞納者への処分として「督促」「財産の差し押さえ」などが国により行われます。どういったものかというと、

★「督促」
納付期限から50日以内に督促状が届きます。督促状を発した日から10日以内に完納しないときは、滞納者の財産を差し押さえすることができます。

★「財産の差し押さえ」
納税者の事業状況や生活状況を見て「納める資力があるのに納めていない」とみなされた場合、財産の差し押さえが行われます。財産の差し押さえが行われると以下のような制限を受けることになります。
・処分禁止の効力
財産の売買や贈与等ができなくなります。
・国税の時効中断
税金の時効は中断されます。つまり、差し押さえの効力が時効によって消滅することはありません。
・従物に対する効力
例えば建物を差し押さえた場合、その差し押さえの効力は建具にも及びます。
・果実に対する効力
例えば貸付金という債権を差し押さえた場合、そこから得られる果実に対しても効力が及びます。
※滞納者の配偶者や親族の生活に欠かせない衣服、寝具、家具等、生活に必要な3か月の食料や燃料については差し押さえできません。また、職業上欠くことのできない器具も差し押さえの対象から外れます。

☆ヒント
法人にかかる税金は主に9種類あり、それらを滞納してしまった場合滞納者として「延滞税」をかけられ、さらに財産を差し押さえられてしまうというリスクがあります。財産の差し押さえが行われると、実に様々な制限を受けることになるので、きちんと税金は納期までに支払うことが必要です。

法人化するにあたり、法律上気をつけなければならないポイントに限らず、節税対策など資金繰りや経営に対する客観的な意見を聞くことは重要かもしれません。そのため、会社設立段階において税理士選びは重要な位置づけとなってきます。ビスカスでは、中小企業にむけた優秀な税理士をさまざまな業界ごとに多数紹介しております。満足のいく税理士が見つかるまで、責任を持ってご紹介させていただきます。

まとめ

法人設立することによって、様々な事務作業が増えてしまったり赤字の場合でも税金を支払わなければいけなかったり、確かにデメリットはありますが、節税といった観点からは大きなメリットがあります。しかし、税金を滞納してしまっているとさらに事業者は負担しなければならない金額が増えますので、注意が必要です。

清水瑛介
東京大学卒。現、同大学院所属。
不動産投資に長らく関わっており、不動産に関する税制や相続が得意分野。
税理士事務所でアルバイトとして従事。
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