1年目の個人事業主必見!
1年目にすることと税金について徹底解説
1年目の個人事業主必見!  1年目にすることと税金について徹底解説

2018/11/14

 
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働き方改革などの政府の施策や社会環境の変化、好景気などにより、会社を辞めて独立し、事業を行う人が増えています。個人事業主として開業した場合に気になるのが、さまざまな手続きの方法や税金のこと。ここでは、個人事業主になって1年目にしなければならないことや、税金について徹底解説します。

1年目の個人事業主がするべきこととは?

税務署に提出しなければならない書類

1つ目は、税務署への書類提出です。税務署に提出する書類は「開業届」と「青色申告承認申請書」の2つです。それぞれどのような書類か確認していきましょう。

①開業届

開業届とは、その名のとおり、個人事業を開業した旨を税務署に届け出るための書類です。

 

個人事業主は、開業を法務局などで登記する必要がなく、自分で開業しようと思ったときに開業となります。しかし、それでは公的に開業したかどうかわかりません。そのため、個人事業を開業した場合は、税務署に開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を提出する必要があります。提出期限は開業後1ヵ月以内となっています。

②青色申告承認申請書

青色申告承認申請書は、青色申告により確定申告することを申請する書類です。

個人事業主は、年に1回、所得税の確定申告と納税を行いますが、その申告には白色申告と青色申告があります。開業届を提出しただけでは、白色申告になります。

 

青色申告は、白色申告よりも正確な帳簿付けや売上・経費・利益などの計算をする代わりに、節税につながる、さまざまな特典を受けることができるというものです。事業を大きくしたり、節税を考えたりする場合は、通常、青色申告承認申請書を提出し、青色申告を行います。提出期限は開業後2ヵ月以内(開業年度の場合)となっています。

 

「開業届」と「青色申告承認申請書」の用紙は、税務署の窓口または国税庁のホームページから入手できます。

社会保険や市民税の手続き

2つ目は社会保険や住民税の手続きです。会社を退職し、個人事業を開業した場合は、社会保険の切り替えや住民税の支払いをする必要があります。

①社会保険の手続き

会社を退職し、個人事業を開業した場合は、会社の健康保険や厚生年金保険から、国民健康保険、国民年金保険への切り替えの手続きが必要となります。会社の健康保険や厚生年金保険の資格喪失手続きについては、勤めていた会社で行いますので、個人事業主が行うのは国民健康保険、国民年金保険への加入の手続きとなります。
 

  • 国民健康保険
    加入の手続きは、住まいのある市区町村役所の健康保険担当窓口で行います。健康保険資格喪失証明書や身分証明書、印鑑を持参して窓口に行くと、届出書(自治体によって異なる)の記載など加入の手続きを行います。持参する書類等は、自治体によって異なる場合があります。事前に各自治体にお問い合わせください。手続きは、退職後14日以内に行う必要があります。

     

    退職後2年間は、勤めていた会社の健康保険に加入しつづけることも可能です(任意継続)。国民健康保険に比べ、勤めていた会社の健康保険を任意継続した方が保険料が安い場合もあります。任意継続の手続きは、勤めていた会社が加入している保険組合等によって異なります。事前に各保険組合等にお問い合わせください。

  • 国民年金保険
    加入の手続きは、住まいのある市区町村役所の国民年金担当窓口で行います。年金手帳や離職票(または退職証明書)、身分証明書、印鑑を持参して窓口に行くと、届出書(自治体によって異なる)の記載など加入の手続きを行います。持参する書類等は、自治体によって異なる場合があります。事前に各自治体にお問い合わせください。手続きは、退職後14日以内に行う必要があります。
②住民税

会社員の場合、毎月の給料から住民税が天引きされていました。実は、この住民税は前年度の所得に対するものを12回に分けて支払っているものです。そのため、会社を退職する場合は、その年の残りの住民税を支払う必要があります。

 

その年の残りの住民税を支払う方法には、最後の給料から天引きする方法と、自分で支払う方法の2つがあります。どちらの場合も手続きは、勤めていた会社が行います。通常、退職時に会社からどちらにするかを聞かれますが、何も連絡がない場合は、会社に問い合わせした方が良いでしょう。

 

開業して1年目の場合、事業が思っていたとおりに運ばず、国民健康保険や国民年金、住民税の支払いが厳しいという状態になることもあります。その場合、そのままにしておくのではなく、必ず各自治体の担当窓口に相談しましょう。

 

実は、退職や独立開業などで収入が前年より下がった場合、国民健康保険や国民年金、住民税の免除、減額、支払い猶予などの措置があります。それぞれの基準や手続きは自治体によって異なりますが、手続きをすれば支払う金額が低くなる可能性があります。必ず各自治体の担当窓口に相談するようにしましょう。

個人事業主は確定申告が必要

確定申告とは

確定申告とは、1年間の収入や経費、所得や税額を自分で計算し、税務署に申告することをいいます。個人事業主は、年に1回、翌2月16日~3月15日の間に、所得税の確定申告と納税を行う必要があります。提出書類は、白色申告の場合と青色申告の場合でそれぞれ以下のようになっています。

 

種類 提出書類
白色申告 確定申告書B 収支内訳書
青色申告 確定申告書B 青色申告決算書

 

確定申告書や収支内訳書、青色申告決算書は、毎年、所轄の税務署から送付されます。

節税するなら青色申告を

開業後2ヵ月以内に青色申告承認申請書を提出し、青色申告をすると節税ができます。青色申告には、いくつもの特典があるからです。

 

青色申告の特典の中で最も影響が大きいものが、青色申告特別控除です。青色申告特別控除とは、青色申告をするだけで所得を最大65万円控除するというものです。個人事業にとって65万円の経費を作るのは大変です。これだけでも青色申告をする意味はあります。

それ以外の青色申告の特典については、以下のホームページをご参照ください。

税金はどれぐらいかかる?

所得税と市民税ってどれぐらい必要?

ここまでは、個人事業主の手続きを中心に見てきました。ここからは税金について見ていきましょう。原則、個人事業主で支払う必要のある税金は、所得税と住民税です。

①所得税

所得税は所得(もうけ)にかかる税金です。所得税は次の計算式で計算します。

 

所得税の金額=所得金額×税率-控除額

 

例えば、売上が800万円、費用が400万円、青色申告特別控除が65万円の場合の所得は、

売上800万円-費用400万円-青色申告特別控除65万円=335万円です。税率は、所得金額に応じて次のように決まっています。

 

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

 

所得金額335万円の場合は、「税率20%-控除額427,500円」です。そのため所得税の金額は、所得金額335万円×税率20%-控除額427,500円=242,500円となります。

※平成49年までは、所得税とは別に所得税額の2.1%の復興特別所得税がかかります。

②住民税

住民税とは、道府県民税と市町村民税の2つの税金のことで、どちらも所得(もうけ)にかかる税金です。住民税は次の計算式で計算します。

 

住民税の金額=所得金額×税率

 

住民税の税率は、所得の金額にかかわらず10%(道府県民税4%、市町村民税6%)です。

上記の具体例を使うと、次のようになります。

 

住民税の金額=所得金額335万円×税率10%=33.5万円

1年目は消費税を支払う必要がある?

個人事業主の1年目で所得税、住民税以外で気になるのが、消費税を支払わないといけないのかということです。結論からいうと、原則、開業1年目は消費税を納める必要はありません。

 

実は消費税では、免税事業者になるための基準があります。免税事業者になるためには、次の基準にすべて該当する必要があります。
 

  • ①前々事業年度の売上が1,000万円以下の場合
  • ②前事業年度の上半期日の売上が1,000万円以下または給料総額が1,000万円以下の場合

 

個人事業主の場合、開業1年目は、前々事業年度や前事業年度はありません。そのため、上記2つの条件を満たし、免税事業者となります。

まとめ

会社を退職するなどして、個人事業主になった1年目には、さまざまな手続きをする必要があります。その手続きは、税金や社会保険など、事業や生活に関する重要なものばかりです。開業1年目の個人事業主は、必要な手続きや税金を考慮しながら、事業を進めていきましょう。

 

長谷川よう
会計事務所に約14年、会計ソフトメーカーに約4年勤務。個人事業主から法人まで多くのお客さまに接することで得た知見をもとに、記事を読んでくださる方が抱えておられるお困りごとや知っておくべき知識について、なるべく平易な表現でお伝えします。
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