京都市に宿泊税が導入されることが決定、
法人の税金はどうなるの?
京都市に宿泊税が導入されることが決定、  法人の税金はどうなるの?

2018/8/7

 
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東京都、大阪府に続いて、京都市でも2018年10月1日から宿泊税が導入されます。京都市で3例目ですが、外国人観光客を中心とした宿泊客が増加すれば、他の自治体でも導入することは予想できます。その意味でも、京都市で導入される宿泊税は宿泊業者や民泊ビジネスを検討している個人や法人の参考になるでしょう。

宿泊税の基礎知識について解説

宿泊税は宿泊客が負担しますが、実際に自治体へ納入するのは宿泊施設です。まずは宿泊税の基礎知識を見ていきましょう。

宿泊税は宿泊施設が納入する

宿泊税は宿泊施設が自治体へ納付しますが、住民税を給与から天引きして市区町村へ納付するのと同じ特別徴収の方法を採用しています。つまり、宿泊客から宿泊税を徴収した宿泊施設が自治体へ納入します。

宿泊施設の形態について解説

宿泊税の課税対象は宿泊施設の形態ごとに決まっています。それでは、具体的な形態を紹介します。

(1)旅館業法上の宿泊施設

大きく分けて3種類に分類されます。

①旅館、ホテル

旅館は和式の構造と設備、ホテルは洋式の構造と設備を設けた施設です。

②簡易宿所

宿泊する場所を多人数で共用する構造と設備を設けた施設です。たとえば、山小屋、スキー小屋、カプセルホテルなどが当てはまります。

③下宿

1ヶ月以上の期間を単位として宿泊させる施設です。

(2)旅館業法の特例(特区民泊)

国家戦略特別区域法に基づく旅館業法の特例による宿泊施設です。その国家戦略特別区域は東京都大田区、千葉市、大阪府、大阪市、新潟市、北九州市に限定されています。

(3)住宅宿泊事業者(民泊新法に基づく民泊)

2018年6月15日に施行された法律です。営業日数は180日以内など細かい制限が設けられています。法人や個人が空き家を活用したり、不動産投資をしたりして民泊ビジネスを始める人に向いています。

(4)違法宿泊業者(無届の業者)

上記(1)~(3)までは事前の届出が必要ですが、無届で行う宿泊施設のことを指します。

京都市に導入される宿泊税のアウトライン

宿泊税の課税対象などは自治体ごとで異なりますが、京都市の場合について紹介します。

宿泊税の課税対象となる宿泊施設

そもそも宿泊税の課税対象となる宿泊施設とは、寝具を利用して夕方から翌朝まで宿泊する施設のことを指します。京都市の場合、ホテル、旅館、簡易宿所、住宅宿泊事業者、違法宿泊業者などほとんどの宿泊施設が宿泊税の課税対象となります。

宿泊税が非課税、免除になるケース

宿泊税は宿泊料金に応じて課税しますが、その対象から除かれて非課税、免税になるケースがあります。おもに次の通りです。
・日帰り利用の場合
・旅館業法の許可の必要がない施設(幼児の無料宿泊、企業研修など)の宿泊料金
・大学を除く学校教育法で定める学校の行事の参加者(生徒や引率者など)に対する宿泊料金
・外国大使などの任務遂行に基づく宿泊料金

宿泊税が課税される金額

宿泊税は一日当たりの宿泊料金に対して課税します。具体的には次の表の通りです。

一日当たりの宿泊料金 一日当たりの宿泊税
2万円未満 200円
2万円以上5万円未満 500円
5万円以上 1,000円

宿泊料金に含まれないもの

宿泊税の課税対象となる宿泊料金は、宿泊施設へ支払う金額のうち次の項目を除きます。
・飲食、遊興費
・会議室の利用
・消費税など各種税金
・土産代などの立替金
・チップ、心づけの金額
・別途徴収する延長料金
これらの項目を宿泊料金から除くためには、あらかじめ宿泊料金と区分表示することが条件となります。

京都市の宿泊税の申告納入方法

宿泊税は宿泊客から徴収した税額を申告納入します。それは京都市も同様です。

宿泊税の基本的な申告納入方法

基本的に宿泊施設単位で宿泊税を毎月、申告納入をします。具体的には、宿泊客から徴収した月の翌月末日までが申告納入の期限となります。

申告納入期限の特例により申告納入を3ヵ月に1度にすることができる

宿泊税は毎月、申告納入をするのが基本です。しかし、一定の条件を満たす場合には宿泊税の申告納入を3ヵ月に1度にすることが認められています。

(1)条件

京都市の場合、申告納入時点における前年の宿泊税の年税額が240万円以下であることが申告納入を3ヵ月に1度にする条件です。

(2)申告納入期限

宿泊税を徴収した月に応じて、申告納入期限は次の通りです。

徴収した月 申告納入期限
3月~5月分 6月末日
6月~8月分 9月末日
9月~11月分 12月末日
12月~翌年2月分 翌年3月末日

東京都と大阪府の宿泊税のアウトライン

東京都と大阪府の宿泊税は京都市と異なります。それぞれのアウトラインを見ていきましょう。

宿泊税を申告納入する宿泊施設

京都市よりも宿泊税が課税される宿泊施設の範囲は限定されています。

自治体 課税される宿泊施設の範囲
東京都 ホテル、旅館
大阪府 ホテル、旅館、簡易宿所、民泊特区

上記の通り、東京都と大阪府は住宅宿泊事業者(民泊新法に基づく民泊)が宿泊税の課税対象から外れています。

宿泊税が課税される金額

東京都と大阪府は一泊当たりの宿泊料金に応じて宿泊税が課税されます。

(1)東京都
一日当たりの宿泊料金 一日当たりの宿泊税
1万円未満 非課税
1万円以上1万5,000円未満 100円
1万5,000円以上 200円
(2)大阪府
一日当たりの宿泊料金 一日当たりの宿泊税
1万円未満 非課税
1万円以上1万5,000円未満 100円
1万5,000円以上2万円未満 200円
2万円以上 300円

まとめ

宿泊税は東京都、大阪府に続いて京都市でも導入されます。ただ京都市の場合、基本的に宿泊料金に関係なく宿泊税が課税されます。しかも東京都や大阪府と違い、住宅宿泊事業者(民泊新法に基づく民泊)や違法宿泊業者にも課税されます。宿泊税導入後における京都市の宿泊業者の動向に注目しましょう。

阿部正仁
TAX(税金)ライター。会計事務所で約10年間の勤務により調査能力を身に付けた結果、企業分析の能力では高い定評を得、法人から直接調査を依頼される実績も持つ。コーチングスキルを活かした取材力で、HP・メディアでは語られない発言を引き出すのが得意。
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