個人事業主は経費の領収書を保管して、
税金の支払いを抑えよう
個人事業主は経費の領収書を保管して、  税金の支払いを抑えよう

2018/6/11

 
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個人事業主は、毎年、確定申告を行い所得税などの税金の納付をしなければなりません。税金を抑えるために必要なのが、経費です。経費の金額が高いほど、税金が低くなります。経費を増やすためには、経費になるものをきっちり把握し、証拠となる領収書の保管が大事です。ここでは、経費になるものや領収書の保管方法などを解説します。

個人事業主の経費になるもの、ならないもの

個人事業主の支払いで経費になるもの

個人事業主の場合、支払いが経費になるかどうか微妙に思えるものが多くあります。そこで気を付けなければならないのが、どの支払いが経費になるのかということです。個人事業で経費になるものは、事業を行う上で直接関係のあるものや、事業に関連するものです。

「事業を行う上で直接関係のあるもの」とは、たとえば、販売する商品や製造する製品の部品や材料などの購入といったものが挙げられます。「事業に関連するもの」とは、事務所で事務をするための文房具や机、消耗品などです。事業を行う上で直接関係のあるものは問題ないと思いますが、事業に関連するものについては、見方によって経費にできるかどうか変わる場合もあります。そのため、税務署などに聞かれたときに、どのように事業に関連しているのかを説明できるようにしておくことが重要です。

個人事業主の支払いで経費にならないもの

「個人事業主の支払いで経費にならないもの」とは、事業と関係ないものです。プライベートで使うものは、経費になりません。そのほか、生命保険や自宅の地震保険など、所得控除になるものも経費にすることはできないので注意が必要です。

また、事業と関係があるものでも、1つあたり10万円以上する備品や機械などは固定資産となり、購入金額のすべてが経費になりません。購入金額を毎年少しずつ経費にしていきます。

個人事業主の経費と領収書

個人事業主の正しい領収書のもらい方

見てきた通り、個人事業主の支払いで経費になるものは、それほど多くありません。そのため、事業に関連するものについて、いかに経費にするかが重要になります。そのために必ず行わないといけないのが、正しい記載内容の領収書をもらうことです。

領収書の記載内容について気を付けるポイントは次のとおりです。

①宛名

宛名は、屋号がある場合は屋号で、屋号がない場合は個人事業主名を記載してもらいます。上様や、宛名なしでもらうことはやめましょう。

②金額

金額は、商品購入代金を記載してもらいます。消費税込みの金額で構いません。

③発行年月日

発行年月日も必ず記載してもらいます。

④摘要

書籍代や食事代など、何に使ったかを具体的にわかるように記載してももらいます。お品代のように何に使ったかわからない場合は、領収書の裏などに何に使ったかを記載します。あとで、何を購入したかわからずに、経費に落とせないことがないようにしましょう。

⑤支払先(領収書の発行元)

領収書には、領収書を発行したお店や会社の名前の記載が必要です。ゴム印などのハンコの押印で問題ありませんが、会社印や認印などの印鑑の押印も必要です。

⑥収入印紙

5万円以上の領収書では、収入印紙の貼付が必要です。ただし、店舗によっては、印紙税を別で申告納付することをあらかじめ、税務署に承認されている場合があります。その場合は収入印紙の貼付は不要です。収入印紙の貼付が不要な場合は、領収書にその旨の記載があります。

 

領収書の代わりに、レシートでも問題ありません。レシートの場合も、見ただけでは何を購入したかわからない場合は、裏面などにその内容を記載します。また、経費になるものと、プライベートのものの両方が1つのレシートに記載されている場合は、経費になるものをマーカーでチェックしたり、裏面に詳細を記載したりし、区別できるようにしておきましょう。

領収書の出ない支出は経費になる?

個人事業主の支出の中では、領収書やレシートの出ないものがあります。では、領収書やレシートがない場合は経費にできないのでしょうか。実はそんなことはありません。領収書やレシートがない場合でも経費にすることができます。ただし、次の注意点に気を付ける必要があります。

①領収書やレシートがもらえない理由があること

領収書やレシートがなくても経費にするためには、「電車代やお祝い、香典などそもそも領収書やレシートがもらえない」という正当な理由が必要です。つまり、普通であれば領収書やレシートがでるお店などの場合は、領収書やレシートがなければ経費と認められない可能性が高くなります。

②そもそも領収書やレシートが出ないものでも、証拠を残しておくこと

電車代やお祝い、香典などそもそも領収書やレシートがもらえないものでも、無条件で経費として認められるわけではありません。その証拠が必要です。電車代であれば、日付や金額、どこからどこまで乗ったか、その目的(例えば、取引先A社と打合せなど)を記載した出金伝票などを作成します。お祝い、香典についても同じように出金伝票に記載したり、結婚式の招待状や葬式の案内状など証拠となるものを残しておいたりする必要があります。

領収書はどうやって整理する?領収書の整理方法

個人事業主で保存が必要な書類と保存期間

個人事業主の支出を経費にするためには、領収書やレシートを保管しておくことが必要です。ここでは、その領収書やレシートの保存方法について紹介します。その前に、まずは個人事業主が保存しなければならない書類や保存期間を見ていきましょう。

個人事業主が保存しなければならない書類とその保存期間は、青色申告と白色申告で違います。それぞれ次のようになっています。

・青色申告
保存が必要なもの 保存期間
帳簿 仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など 7年
書類 決算関係書類 損益計算書、貸借対照表、棚卸表など 7年
現金預金取引等関係書類 領収証、小切手控、預金通帳、借用証など 7年(※)
その他の書類 取引に関して作成し、又は受領した上記以外の書類(請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など) 5年

※前々年分所得が300万円以下の方は、5年

・白色申告
保存が必要なもの 保存期間
帳簿 収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿) 7年
業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿) 5年
書類 決算に関して作成した棚卸表その他の書類 5年
業務に関して作成し、又は受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類

 

領収書やレシートについては、青色申告は7年、白色申告では5年保存する必要があります。

ちなみに消費税の課税事業者の場合は、個人事業主であっても、次の内容を記載した帳簿を7年間保存する必要があるので、注意しましょう。

 

取引区分 帳簿への記載事項
売上や仕入がある場合 ①取引の相手方の氏名又は名称、②取引年月日、③取引内容、④取引金額
売上返品や売上値引き、売上割戻し等がある場合 ①売上返品等に係る相手方の氏名又は名称、②売上返品等に係る年月日、③売上返品等の内容、④売上返品等に係る金額
仕入返品や仕入値引き、仕入割戻し等がある場合 ①仕入返品等に係る相手方の氏名又は名称、②仕入返品等に係る年月日、③仕入返品等の内容、④仕入返品等に係る金額
貸倒れが生じた場合 ①貸倒れの相手方の氏名又は名称、②貸倒れ年月日、③貸倒れに係る資産又は役務の提供内容、④貸倒れに係る金額
課税貨物に係る消費税額の還付を受けた場合 ①保税地域の所轄税関名、②還付を受けた年月日、③課税貨物の内容、④還付を受けた消費税額

 

※飲食業や小売業など、客が不特定多数の場合は、相手方の氏名又は名称は不要です。

領収書の整理方法と保管方法

・領収書の分類方法…月ごと、経費ごと

・領収書の保管方法…袋に入れる、スクラップブックに貼り付け

上記他、クレジットカードの場合の注意点などを記載する。

 

上述した通り、青色申告は7年、白色申告でも5年、領収書やレシートを保存する必要があります。そのため領収書やレシートを無くさないように整理、保管することが必要です。

領収書やレシートの整理方法や保管方法について、法律で決まっているわけではありませんが、一般的には次のような方法で整理、保管します。

①月ごとに保管する

領収書やレシートを月ごとに封筒に入れたり、スクラップブックに貼り付けたりして保管する方法です。

②経費ごとに保管する

領収書やレシートを経費の種類ごとに封筒に入れたり、スクラップブックに貼り付けたりして保管する方法です。

 

いずれの方法においても、封筒やスクラップブックには「〇年△月分」などと表書きをしておき、わかりやすくしておきましょう。

どちらの方法で保管しても問題ありません。事業の形態などに合わせて保管しやすい方法を選びます。税務調査では、税務署の職員が帳簿をみながら「何年の何月何日のこの経費の領収書を確認したいのですが、ありますか?」というように尋ねてくるので、すぐに提出できるようにしておきましょう。

 

また、クレジットカードで経費を支払った場合は、その内訳を残しておく必要があります。クレジットカードの支払明細書などには、どのお店でカードを使ったかなどが記載されています。オンラインの明細書などにしている場合は、定期的に印刷して保存しておきます。何を購入したかわからなくなる前に、こまめにメモ書きなどを残しておくとよいでしょう。

まとめ

個人事業主で税金を安くするためには、経費を多くする必要があります。支出したものが経費と認められるためには、事業と関連していることを説明できるようにしておくことが大切ですが、領収書やレシートをきちんと保存しておく必要もあります。この記事を参考に、きちんと管理を行いましょう。

 

長谷川よう
会計事務所に約14年、会計ソフトメーカーに約4年勤務。個人事業主から法人まで多くのお客さまに接することで得た知見をもとに、記事を読んでくださる方が抱えておられるお困りごとや知っておくべき知識について、なるべく平易な表現でお伝えします。
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