流動資産と固定資産の違いとは?
負債についてまとめ
流動資産と固定資産の違いとは?  負債についてまとめ

2018/6/4

 
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企業における負債とは、借金のみを指すのではなく返済の義務があるもの全てを表します。したがって、銀行から受けた融資の返済以外にも、営業取引で生じた買掛金や未払金も負債として扱われます。会計処理上、負債は流動負債と固定負債の2種類に分けて処理されます。2種類の負債の違いを知って、負債についての理解を深めておきましょう。

負債とは

負債とは、貸借対照表で扱われる会計上の概念で、債務を負っている状態を意味します。定義上、銀行などからの融資による債務以外にも、買掛金や未払金も負債に含まれます。その点で、日常使われる負債とは区別される、会計上の用語だということを理解しておきましょう。

負債は資産・純資産とともに、企業の経営成績を投資家や債権者に伝える情報です。その目的から、負債の計算や扱いには正確な会計上の知識が求められます。事業者として経営に臨む以上、この会計上の概念を正確に扱う技術が求められます。

流動負債と固定負債の違い

会計処理上、負債は流動負債と固定負債に分けられます。企業の営業を通じて生じた負債の大部分は流動負債として扱われますが、厳密には2つの基準によって固定負債と流動負債の区別が行われます。

正常営業循環基準

流動負債を固定負債から区別する基準として、正常営業循環基準というものがあります。事業によってその詳細は様々ですが、一般に事業では仕入れた品を商品として販売し、現金として利益を得て、その現金で次の商材を仕入れるという循環が発生します。この循環に含まれる負債は、すべて流動負債として扱われます。同様にこの基準によって、支払手形や買掛金が流動資産に分類されます。

1年基準

正常営業循環基準に含まれない負債のうち、債務の期限が1年を越えて到来するものは固定負債として扱われます。逆に1年以内に期限が到来するものは流動資産として扱われます。この基準によって借入金、未払金、預かり保証金を流動負債と固定負債に区別します。

流動負債の勘定科目

以上の定義に従い、正常営業循環により生じた負債や1年以内に債務期限が到来する負債を流動負債と呼びます。流動負債はさらに細かく支払手形、買掛金、短期借入金、前受金、未払金、引当金に分けられます。

支払手形

流動負債に属する手形の代金に対する債務を支払手形と呼びます。一般には約束手形や為替手形という言葉がよく使われますが、支払手形はそれらのうち正常営業循環の中で生じた手形債務のみを指します。ただし、金融機関からの融資を受けた際に、借用証書ではなく約束手形として振り出された場合、支払手形ではなく短期借入金として扱います。

買掛金

仕入れに際して掛買いを行ったとき、支払日に至っていない債務を買掛金と言います。特に事業者間の取引では、仕入れ時に毎回現金のやりとりを行うのではなく、近い将来に決済日を設けます。決済日を迎えるまでは、仕入れを行った事業者は支払いの義務を負った状態になるため、この債務は短期的な流動負債として計上されます。

短期借入金

決算日の翌日から1年以内に支払い期限が到来する借入金を短期借入金として、流動負債に計上します。金融機関からの融資だけではなく、親会社や子会社、あるいは役員や従業員などからの借入金のうち、この条件を満たすものはすべて短期借入金として扱われます。すでに説明した通り、手形の一部も短期借入金として扱われる場合があることに注意しましょう。

前受金

商品やサービスを提供する前に受け取った前払いの代金は前受金に分類されます。代金を受け取っているのに負債として扱われるのは違和感を覚えるかもしれませんが、商品やサービスという形での支払い義務を負っている状態であるため、会計上は負債の1つと見なされます。

未払金

事務消耗品やオフィスの維持費など、仕入れとは異なる場面で生じる未払いの債務を未払金として区分します。未払金には性質上長期のものと短期のものがあり、1年基準によって流動負債と固定負債とに分類する必要があります。

未払金とよく似た勘定科目に未払費用というものもあります。未払費用は特に継続的な取引についてのもので、地代家賃・保険料・利息等のうち未払いのものを指します。これも未払金同様、長期のものと短期のものに区別して流動・固定の別をつけなければなりません。

引当金

引当金は特殊で扱いも複雑な勘定科目です。次期に損失を予想しているにもかかわらず、その代金を負債に含めず、資産として計上すると誤解を招きます。たとえば役員報酬や退職金、製品の品質保証により返品や修理などを無償で行う場合に発生する代金などがこれに当たります。このように、次期に発生が見込まれる代金を引当金と呼び、負債計上します。税法上の取り扱いなど注意が必要な勘定科目であり、帳簿作成時には特に慎重な扱いが求められます。

固定負債の勘定科目

流動資産と異なり、正常営業循環以外の場面で生じた負債のうち、債務期限が1年を越えて到来する負債を固定負債と言います。社債や預かり保証金のほか、未払金や借入金のうち長期のものが固定負債に分類されます。

社債

株式会社が資金調達のために発行した社債は、1年以上の返済期限があるため、固定負債として扱われます。社債を購入した側は有価証券として資産を得る一方、発行した側は負債を計上します。なお、社債の支払い期限が1年以内になった場合、1年基準に従って流動負債へ変化することには注意が必要です。

長期借入金

借入金のうち支払い期限が1年を超えて到来するものを長期借入金として固定負債に計上します。長期借入金については、金融機関以外からのもので高額に上る(純資産の5/100以上)場合、その負債の詳細を示す名称を付言する必要があります。それゆえ、株主長期借入金や役員長期借入金などの具体名称で記載されます。

預かり保証金

商品の提供やサービスの提供を約束して、一時的に保証金を預かり、契約履行後にその預かり金を変換する場合、預かり保証金として計上します。特に身近な預かり保証金としては敷金を挙げることができます。多くの場合返還の期限は1年を越えるため、固定負債として扱われることになります。

繰延税金負債

繰延税金負債はあまり聞きなれない名前かもしれません。これは会計上の利益総額と、税法上の利益額が一致しないときに用いられる、税効果会計という手法の1つで扱われる負債です。これも期限が1年以内かどうかで固定負債と流動負債に区分する必要があります。また、繰延税金負債はその発生原因を注記することが義務付けられており、会計処理によく通じていなければ扱うのが難しい負債といえます。

☆ヒント
固定負債・流動負債を正確に扱うには多くの知識、技術が求められます。それらの正確な扱い方を学んだ税理士ならば、間違いなく適切な会計処理を行うことができます。ビスカスでは優秀な税理士を多数紹介しておりますので、この機会にぜひご利用を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は貸借対照表で扱われる負債について、その概要を整理しました。負債は2つの基準によって流動負債と固定負債に分けられ、それぞれさらに細かい分類が用意され、正確な会計処理を行えるようになっています。初めて貸借対照表を作成する場合、これらの概念を1つひとつ理解するだけでも苦労してしまうことでしょう。経営状況の理解のためにも、最低限の知識を身につける必要はありますが、正確な帳簿の作成のためには専門の技術を持った人の助けを借りるべきかもしれません。

株式会社プロジェクトカンパニー 新宅 央
慶應義塾大学卒。大学在学中はファイナンス理論などを中心に専攻。
卒業後、大手広告代理店に勤務。
現在はコンサルティング会社に転職し、IT分野を中心としたコンサルティング業務に従事。
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