こんな経費は要注意! 間違いやすい経費4選
こんな経費は要注意! 間違いやすい経費4選

2017/12/20

 
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「あれ、このお金、どう扱えばいいのだろうか……?」中小企業を経営されている方の中には、日常のふとした瞬間にこのように感じた経験をお持ちの方も多いことと思います。例えば、法人がゴルフクラブの会員になった場合、その年会費の扱いはどうなるのだろう? 法人として携帯電話を契約した場合は? 等々と、扱いに困ってしまう経費というのは案外数多く存在します。今回は法人が注意しなければならない、4つの経費の扱い方について徹底解説していきます。事前に知識を蓄え、ミスを防ぎましょう!

ゴルフクラブに入会するとき

まず法人が支出したゴルフクラブの入会金および会費等について説明していきます。
ゴルフクラブに法人会員として入会する際、入会金は資産として計上されます。ただし、記名式の法人会員で、その名義人が個人的に利用しているものであると認められた場合には、この入会金に相当する金額はこれらの人に対する給与となります。つまり、法人として、法人の業務に関係ある用途に使うのでなければ、資産計上することができないということです。

個人会員として入会する場合も、入会金はその個人会員となった従業員ないし役員に対する給与としてカウントされます。ただし、無記名式の法人会員制度がないために個人会員として入会するほかなく、かつその入会が法人の業務に必要なものであると認められれば、入会金の資産計上が可能です。

資産に計上された入会金には、原則として償却が認められません。なお、ゴルフクラブの退会後に入会金の返還を受けられない場合、その返還されない部分の入会金については、退会した事業年度の損金に算入することができます。

同業者団体に入会するとき

同業者団体とは、同業者によって組織され、当該業界の親睦、技術向上などに寄与するための活動を行う団体を指します。次は、こうした団体への加入金および会費についてはどのような取り決めがあるのかを見ていきましょう。
まず加入金に関しては、当該の同業者団体の約定において構成員としての地位を他に譲渡することができる場合、もしくはその団体への加入に出資としての性格がある場合には、譲渡または脱退するまでその加入金を資産計上します。それ以外のものに関しては、繰延資産に該当し、償却期間は5年です。ただし支出金額が20万円未満であれば、その全額を損金算入することができます。

次に会費についてですが、こちらにはより細かい規定があります。
まず通常会費は、支出した事業年度の損金の額に算入します。この通常会費とは、「同業者団体等がその構成員のために行う広報活動、調査研究、研修指導、福利厚生その他同業者団体としての通常の業務運営のために経常的に要する費用の分担額として支出する会費」と定義されます。要するに、その団体が目的達成のために必要とする費用のことです。ただし、通常会費についてあまりに多額の余剰が当該同業者団体の経理において生じていると認められた場合、その剰余金が適正な金額になるまでは、余剰金発生以降に支出する通常会費は前払費用として扱われ、損金算入できません。

通常会費以外のもの、例えば団体の会館設立や政治献金などを目的とした会費に係る支出は、前払費用として処理されます。よって当該同業者団体がその使途に沿った支出を行った際には、構成員である法人側がその支出をしたものとみなされます。

携帯電話を契約するとき

携帯電話に加入する際、加入者は契約事務手数料を払うことになります。この手数料は原則として、無形減価償却資産である電気通信施設利用権の取得価格として資産計上し、その後20年間に渡って減価償却していくことになります。無形減価償却資産とは、何か形を持つわけではないが、年数が経つにつれてその価値が減じるものを指します。その1つに分類される電気通信施設利用権は耐用年数が20年に設定されているため、購入後20年間をかけて少しずつ減価償却していくこととなります。
しかし携帯電話の購入額が10万円未満である場合には、その携帯電話を購入し事業に用いた事業年度において、取得金額全額を損金の額に算入することができます。

海外に渡航するとき

ある法人の役員や使用人が海外渡航する際にその法人が支給する旅費についても細かな条件があります。まずその海外渡航が当該法人の業務の遂行上必要なものであり、かつ当該渡航のために通常必要と認められる部分の金額に限り、旅費としての法人の経理が認められています。つまり、その海外渡航が業務のためのものである必要があり、そしてその旅費の中でも仕事のために支出した部分については経費として算入できるということです。従って、その渡航の大部分の期間が業務のために費やされ、かつ要した金額が合理的なものであれば、旅費の全額を経費として算入することができます。
「業務に必要な渡航であること」が旅費の経費算入の重要な条件であると述べましたが、以下に挙げるような旅行は原則として「業務に必要な渡航」には該当しません。

1. 観光渡航の許可を得て行う旅行
2. 旅行あっせんを行う者等が行う団体旅行に応募してする旅行
3. 同業者団体その他これに準ずる団体が主催して行う団体旅行で、主として観光目的と認められるもの

ただし上記の1~3に該当する場合であっても、その渡航の内容が明らかに事業のためのものである場合には、その旅行費用のうち業務に直接関連のある部分のみ旅費として損金算入されます。
業務上必要と認められる旅行と認められない旅行とを同時に行なった場合には、その旅行にかかった費用全額を、業務に関係する旅行を行なった期間と関係ない旅行を行なった期間とで按分し、その上で前者のみ旅費として損金算入できます。後者は旅費ではなく、当該役員または使用人に対する給与として見なされます。

☆ヒント
このように、マイナーな支出についても経費としてカウントできるかどうかは細かく定められています。節税のために経費として算入しようとしたものの、実は算入できず逆に損を被ってしまったなどといった事態が起きないよう、正確な理解と運用が求められます。私たちビスカスは経費の取り扱いにも熟練した税理士を数多く紹介していますので、ぜひこの機会にご利用を検討されてはいかがでしょうか。

まとめ

経費について共通して言えるのは「業務に関係する場合のみ経費として算入できる」という大原則です。個々の細かい判断を正しくするためにも、この記事を熟読してみてはいかがでしょうか。

山田隆裕
慶應大学卒。現、同大学院所属。
大学4年時に公認会計士試験に突破。
自分の知識の定着も兼ねて、会計・財務などに関する知識を解説していきます。
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