海外に転勤 その注意点
海外に転勤 その注意点

2017/9/11

 
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グローバル化の進展で、中小企業でも海外に出たり、あるいは外国の出先に転勤になったりといったケースが増えています。今回は、自らもミャンマーに拠点を構えていらっしゃる先生に、そうした場合の課税に関する注意点などを、実際の事例なども含めてうかがっていきたいと思うんですよ。

【今回の専門家は…】税理士 上薗朗先生(カウンシード税理士法人)

FXを続けていたら……


グローバル化の進展で、中小企業でも海外に出たり、あるいは外国の出先に転勤になったりといったケースが増えています。今回は、自らもミャンマーに拠点を構えていらっしゃる先生に、そうした場合の課税に関する注意点などを、実際の事例なども含めてうかがっていきたいと思うんですよ。

海外勤務の問題からいきましょうか。所得税法では、海外支店などに1年以上の予定で転勤した人は「非居住者」とされて、それ以外の「居住者」とは扱いが違ってくるんですね。そういう人は、基本的に日本の所得税は課税されず、赴任先の国で納税することになるのです。ただし、非居住者であっても「国内源泉所得」、すなわち日本国内で稼いだお金があった場合には、そのぶんは国内で課税されることになっています。
 さて、最近けっこう多く発生するのが、国内でFX(外国為替証拠金取引)などの投資をしていて、海外赴任になってもそのまま継続した場合の、税金に関する問題なんですよ。私も、過去に数件のお客様に対応したことがあります。
 FXによって得た利益には、基本的に給与所得などとは別に一律20%が課税される「申告分離課税」が適用されるのですが、この恩恵に浴するのは居住者のみ。非居住者だと、給与所得や不動産所得などと合算されて累進税率を掛けられる「総合課税」になるのです。これは累進課税ですから、利益が出れば出るほど税率が高くなり、マックスだと総額に45%も課税されることになるんですね。
 多くの場合は、そのことを知らずに、申告の段になって「そんなバカな」ということになるわけですが、中には承知しながら「分離課税」で通そうとする人もいます。実際、数年前にそうしたいというお客様がいたので、「違法性」を十分説明したうえで、「では、あなたの責任で申告してください」と申告書類にサインしなかったこともあります。その人の場合は、とりあえず“お咎めなし”だったようなのですが。

気持ちはわかりますけど、今はFXに対する監視が格段に厳しくなっていますから、「博打」は危険ですよね。

見つかれば、追徴課税(※)というペナルティを課せられることになりますから、ダメモトでやるのはやめた方がいいでしょう。

一方で、実は「居住か非居住か」の判断は、グレーゾーンの部分もあるようです。私は、頻繁に日本に帰ってきたりして、居住者の要件を満たそうとした人を知っています。

法的には、「居住者とは、国内に住所を有し、又は、現在まで引き続き1年以上居所を有する個人」ということになっています。この場合の「住所」は、「個人の生活の本拠」で、それに当たるかどうかは「客観的事実によって判定」される……。確かに、解釈の余地がある基準ではあると思います。ただまあ、会社の命を受けて赴任するような場合には、現実的にはその余地も狭まるでしょう。「無理」は通らないと考えてください。

※1 追徴課税:
税務署に申告した所得税、法人税が、実際より少なかったことが発覚した場合などに加算される税。ケースによって「過少申告加算税」「無申告加算税」「不納付加算税」「重加算税」がある。

会社の役員が海外勤務になると……


さきほどはFX(外国為替証拠金取引)絡みのお話でしたが、他にも海外勤務になったことによる「税金トラブル」の事例があったら、教えていただけませんか?

数年前に、こんな事例がありました。ある会社の役員をしているAさんが、中国に転勤することになったんですね。1年以上の赴任なので、Aさんはさきほどお話しした「非居住者」になります。ですから、原則として所得税の納税は中国で行うことになるのですけれど、問題になったのは、源泉徴収でした。
 源泉徴収は、会社などの所得の支払者が、所得税をあらかじめ差し引いて、納税者に代わって国に納める制度です。実は、海外勤務になった非居住者の源泉徴収については、役員と従業員(使用人)で、その扱いが違ってくるんですよ。

どんな違いがあるのでしょう?

国税庁のホームページから、該当する部分を抜粋してみましょう。
「海外勤務に対する報酬であっても、内国法人の役員として受ける報酬には、国内源泉所得に該当することから、20.42%の税率で源泉徴収が必要です」「ただし、その役員が、支店長など使用人としての立場で常時海外において勤務している場合には、源泉徴収の必要はありません」。
 ちなみに、「非居住者となった使用人の海外における勤務に対する給与は、国内源泉所得に該当しないことから所得税及び復興特別所得税はかかりません」から、そもそも源泉徴収の必要は生じない。要するに、「会社は海外勤務の従業員から源泉徴収する必要はないが、役員からは徴収しなければならない」わけですね。ところが、この会社はそれをしていなかったのです。

源泉徴収漏れですか。

ということに、そのままではなってしまうので、Aさんを「使用人」にするよう、会社側にアドバイスしたのです。で、結論を言うとその主張が認められて、会社は源泉徴収漏れのペナルティを免れることができました。実際のところ、Aさんは「形だけの役員」だったんですよ。役員報酬もゼロに近い状態。ですから「実態は従業員である」という判断になった。税は、あくまでも「実態」がベースになりますから。

税務署が突いてくるのはそこですから、逆に「実態はこうでしょう」と論理を立てた戦術は、まったく正しかったと思います。でもその会社は、そもそもなぜそんな「名ばかり役員」を設えたのでしょう?

実は、上場を目指していたんですね。そのためには、役員の数を揃えなければならない、という事情があったようです。全部ワンマン社長の差配によるものでした。でも、結果的には上場に漕ぎつけることはできなかった、というおまけ付きだったんですよ。

う~ん。トップが人数合わせで役員をつくるような感覚だと、上場は難しいかもしれませんよね。

知っておきたい海外事情 ~ミャンマー編~

日本の「介護」に熱視線

海外に転勤 その注意点

先生の事務所はミャンマーに拠点を持っていらっしゃいます。自ら現地に出られた理由を教えてください。

ミャンマーに進出する日本の中小企業のお手伝いをするのが主な目的で、3年ほど前に現地事務所を設けました。最初は東南アジア全域をターゲットに進出先を探したのですが、タイ、ベトナム、フィリピンといった国々には、すでに多くの日本の会計事務所が拠点を構えていたんですね。なので、我々は“その次”を目指そうと考えました。たまたま、昔税務のお手伝いをさせていただいたお客さまで、ミャンマーに詳しい方がいて、視察に出かけたら提携できる現地の事務所も見つかったので、進出を決めたんですよ。

最初は、戸惑うことも多かったのではないですか?

そうですね。視察に行った頃には、安価な飛行機の直行便もなく、ホテルも不足していて、1泊何百ドルも出して、部屋は日本の粗雑なビジネスホテルという状況でした。ただし、そうした点は徐々に改善し、旅行、宿泊に関してはほぼ問題がなくなったと言っていいでしょう。頻繁にあった停電が減ったのも実感しますね。
 ただ、交通インフラなどはまだ未整備な部分が多く、ヤンゴン市内の自動車の渋滞は、他のアジア諸国同様です。ちなみに、ヤンゴンにはオートバイの乗り入れが禁じられているので、ベトナムのような「バイクの群れ」を見ることはありません。

それもお国柄なのですね。現在は、進出する日本企業には、どんな業種が多いのでしょう?

今年の4月から、東南アジアから来日した介護福祉士が訪問介護にも従事できるよう、規制が緩和されましたよね。そうした動きを見越して、介護関連の医療法人などが現地に日本語学校をつくり、そこで人材を集めて日本に派遣するといったケースが、ここ数年、目に見えて増えています。今現地に行くと、介護実習生の話で持ち切り、といっても過言ではないほど。私の事務所にも、その関連で数件の問い合わせがありました。
 製造業でいうと、最もオーソドックスなのが縫製業ですね。人件費が高騰した中国から撤退してミャンマーへ、というパターンが多いです。他の製造業に比べて、電力をあまり使わないので、電力事情にまだ難のある当地でも、進出しやすいんですよ。
 あとは飲食業。ただ、お酒の免許はミャンマー人にしか許されていませんから、「飲ませる」店をやろうとしたら、現地の人と組む必要が出てきます。

ベトナムだとか、東南アジアでは何年か前に仕掛けた日本食が、今すごくブームになっているそうですね。ミャンマーも、やがてそうなる可能性があるということでしょうか。

ミャンマーでも、まだ数は少ないですけど、すし屋やラーメン屋ができ始めていますよ。まあ、味はお世辞にも……というレベルですが(笑)。日本食は、当初は現地にやってくる日本人向けの店が多かったように思います。でも、それだとあまり長続きせずに、入れ替わりが激しいのです。やはり現地の人、少なくとも富裕層が気軽に入れるようなメニューと価格帯で勝負すべきではないかと、私は感じます。

利益が出ていないのに、課税される!?


当然のことながら、海外では商習慣も税法も違います。ミャンマーに進出してから「こんなはずではなかった」とならないために、知っておくべきことはありますか?

たくさんあると思います(笑)。税務に関しては、ひとことで言えば、向こうの税務当局は、いろんな意味で日本ほどきちんとしてはいません。まあこれは、ミャンマーに限ったことではないと思いますけど。
 企業も二重帳簿、三重帳簿は当たり前の世界なのですが、とにかく「事業を営んでいる以上、利益が出ないのはおかしいだろう」と彼らは言うわけです。実態的に利益が出ていないのに、税金を払わないと許してくれないんですね。「じゃあいくら払うのか」という交渉をするのが現地の会計士、税理士の役目、みたいな構造になっているのです。

やはり聞く限り、東南アジアの国々では、似たり寄ったりの状況のようですね。

基本的に別表(※)調整のようなことは行われず、ただ決算書に記された数字があって、それに基づいて納税額が決まるのですけど、どういうロジックで決算が作成されたのかといったことについては、他の人間にはまったくわからない。でもとにかく、いくばくかの税金だけは、払わなくてはならないんですよ。
 外国投資法という法律があって、大企業が最初にしかるべき投資をして進出した場合には、3年間法人税の納税が免除されるんですね。でも、我々がサポートするのは、いきなりそんな大金を注ぎ込むことはできない案件ばかりですから、進出1年目からしっかり課税されることになります。初めての土地、しかも何ごとも不慣れな海外での事業ですから、初年度から利益を出すのは、そう簡単なことではないにもかかわらず、です。

税務署と税理士のやり取りは、やっぱり「袖の下」絡みになるのでしょうか?

我々は直接タッチできないので、細部についてはわかりませんが、おそらくそれが大きなウェートを占めるのだと思います。さすがに「経費」では落とせないですから、現地の税理士にはそうしたお金も含めて、報酬を支払うことになります(笑)。

全部がアバウトだし、交渉の中身もとてもフェアとはいえない。でも現地では、ある意味それが当たり前なんですよね。

そうです。「郷に入れば……」ではありませんが、少なくとも今すぐ現地で何か事業をやろうとしたら、そういう現実は受け入れざるをえません。仮に数年間利益を上げられなくても、税金は覚悟しなくてはならない。その体力があるかどうかも、冷静にみておく必要があるでしょう。

※1 別表:
法人税申告の際に「賃借対照表表」「損益計算書」などとともに提出する「法人税申告書」のこと。別表1の「確定申告書」とその「明細書」の、全部で18の別表からなる。

欠損金の繰り越しもできない!?


さきほど、ミャンマーでは、仮に赤字でも法人税が課せられるという実情をうかがいました。その他に、現地で事業をやるうえで「日本国内とはここが違う」という点は、何かありますか?

今の話に通じるのですけれど、ミャンマーでは欠損金の繰り越しができないんですよ。日本では、ある決算期に赤字=欠損金が生じると、それを一定期間繰越す「欠損金の繰越控除」が認められていますよね。資本金1億円以下の法人は、欠損金の全額を次期以降に繰り越すことができますから、例えば前期に500万円の赤字が発生し、今期が1000万円の黒字だったら、今期の課税所得は1000万円-500万円=500万円となるわけです。支払う法人税は、控除がない場合に比べて少なくてすむ。控除できる期間も、2016年度の法改正で、2018年4月1日以後に開始する事業年度において、それまでの9年から10年に延ばされました。

中小企業経営者、特に新たに事業を始めた方にとっては、非常にありがたい仕組みですよね。でも、ミャンマーではそれができないということですか。

そうなんです。税務当局が圧力をかけてくるとかという以前の問題として、現地の会計士に欠損金の繰り越しの話をしてもぜんぜんわからない。「何を言っているの?」という感じなのです。そのくせ、さきほどもお話しした外国投資法適用会社、すなわち初めから大きな投資をして進出してきた企業には、やっぱりその繰り越しが認められるんですよ。

国の経済に大きく寄与したところとそうでないところの待遇に、ドライに差をつけているのかもしれませんね。

「日本とミャンマーの大きな違い」という点では、直接税金の話ではないのですけど、金融機関の貸出金利に大幅な差があります。ゼロ金利の日本に対して、ミャンマーはなんと13%。現地でお金を借りようとしたら、それだけの金利を覚悟しなくてはなりません。

そうした部分も、多くの日本人は知らないと思います。

逆に、それをビジネスチャンスととらえる人もいます。単純な話、日本で借りてミャンマーで投資すれば、利ザヤが稼げるわけですね。私のところにも、そうしたスキームで、現地でマイクロファイナンス、要するに小口の消費者金融のようなことができないか、調査依頼がありました。
 そのマイクロファイナンスの金利がまたすごくて、30%です。すでにミャンマーと似たような経済状態のカンボジアで成功したという話も聞きました。

金利30%ですか。いろんな意味で「危険な」感じもします。

そうですね。やるのなら、リスク覚悟ということになるでしょう。ただ、ミャンマー人は、そういう金利を背負っても、みんなきちんと返済するらしいんですよ。そんな民族性も踏まえて、有望な市場だと見る人もいるわけです。
 ちなみに、外国人のビジネスに関しては、業種によっていろんな規制もかけられますけど、この話については今のところ「外国人OK」なんですね。個人的な感想ですが、現地人の事業と重なるような部分はある程度規制して、それ以外はむしろ自由にやってもらって、新たな産業を育成してもらいたい。そんな思惑があるのかもしれません。

そうした国情を理解するのも、海外進出を成功させるうえでは大切なことだと感じます。

「代理人」の選定は慎重にすべし

海外に転勤 その注意点

これから本格的な経済発展も見込まれるミャンマーに進出しようと考えた時の注意点、日本との違いを、税務面を中心にお話しいただきましたが、発展途上国でのビジネスには「騙された」とか「契約が守られない」だとかのトラブルも多いようです。

そうですね。そういうリスクがあることは、常に頭の片隅に置いておく必要があるでしょう。中でも気をつけたいのが、いろんなところに顔を出す「代理人」です。
 例えば、私の事務所がミャンマーに拠点を構えた3年前くらいの話ですが、「現地人の代理人を立てて、不動産を買わないか?」と持ち掛けられたことがあるんですよ。ミャンマーでは、不動産の供給が少ないこともあって、原則として外国人が購入することが禁じられているんですね。少し前にコンドミニアム法というのができて、限られた物件に関しては売買が解禁されたのですが、全体からみればごく僅かです。

だから、どうしても不動産が欲しかったら、ミャンマー人の代理人を立てるしかないということですね。

そうです。その人にお金を渡して、代わりに買ってもらうのですが……。外国人が本来持てない不動産を持つわけですから、相当危ない橋を渡っているという自覚が必要ですね。よほど信頼できる代理人でなかったら、途中でいなくなる可能性もありますし。

現地のビジネスで、実際にトラブルになった事例は、ご存じありませんか?

私のお客様ではないのですが、こんなことがありました。日本で製造した化粧品を、現地で販売しようと考えたんですね。ところが、前にもお話ししたように、現地では業種などによって外資の活動が規制されていて、このケースも、輸入も小売りもミャンマーの法人か個人にしか認められませんでした。そこで、さきほどの不動産売買のように、代理人を立てることになったわけです。
 人を探して法人を設立してもらい、そこに日本から製品を送って売ってもらうまではよかったのですが、少したってから、そのミャンマー人とちょっとしたトラブルになってしまったのです。結局、輸入販売代理店契約は解消することになりました。問題は、その時「代理人」の手元にあった、すでに日本から送っていた数百万円分の化粧品の在庫です。彼は、「これは自分のものだから、返さない」と言い張る。

通常だったら、契約解消と同時に返すべきものですけど……。

別に違法な商売をしていたわけではないのですが、説明したようなスキームで代理人を「お願い」していたこともあって、在庫を取り戻すのは難しいという結論になりました。まあ、結果的には“泣き寝入り”です。
 ミャンマーに限らず、海外進出しようとしたら、いろんな形で現地の人の手を借りなければならない局面が発生するはず。その国の法律や商習慣などをよく勉強するだけでなく、信頼できるパートナーをいかにして見つけるのかも、事業の成否を左右する大事なポイントだということを、強調しておきたいと思います。

税務調査の通知が来た! それから修正申告したら、どうなる?


ずっと海外進出の際の留意点をうかがってきましたが、国内でも毎年のように税法が変わったりしますから、納税者ももちろん専門家も、常に情報収集の必要がありますよね。

その通りです。最近のトピックスを1つご紹介しておきましょう。
 税を申告して納税した後、税務署が税務調査に入ることがあります。税務調査とは、普通は「この税務申告は正しいのか」を調べるために、納税者の同意のもとに税務官が行う任意調査です(※)。ちなみに、税務調査の結果「申告漏れ」、すなわち本来申告すべき収入や財産を記載していなかったことが発覚すると、新たに収めることになった税金の10%ないし15%の「過少申告加算税」が課せられることになります。もし「ミス」ではなく、財産を意図的に隠したりする「偽装隠蔽」だと認定されれば、さらに高率の「重加算税」を覚悟しなくてはなりません。
 ところで、申告後でも、ミスに気づいてすぐに修正申告をすれば、追徴課税というペナルティを免れることができます。しかし、今年1月1日以降に申告期限を迎える国税に関しては、ちょっと事情が変わったんですよ。

どう変わったのでしょう?

税務署は、税務調査に入る場合には、「〇〇さんの申告について調査に入ります」という「事前通知」を行います。むろん、その前に修正申告していれば、従来通り“お咎めなし”です。問題はその後で、昨年までは、基本的にその通知を受けてからであっても、実際に税務調査に入られる前に修正申告すれば、やはり過少申告加算税は課されなかったんですね。ところが、その部分に対して、今回見直しが行われたのです。

要するに、税務調査の事前通知を受け取ったら、そこで過少申告に気づいて修正申告しても、調査の前後にかかわらず追徴されてしまうわけですね。

そういうことです。私のお客様で、実際にそのケースがあったんですよ。税務調査の通知を受けてから、「交際費をつつかれるかもしれない」というわけです。よほど「おかしな」領収書でなければ、私たちが問題点を見抜くのは困難ですから、お客様が出されるまま申告したのですが。

ただ、税務調査で税務署がそこを見抜けるかどうかも、わかりませんよね。

はい。このケースでは、お客様の意向に沿って、税務調査前に修正申告をやり、新たなルールに基づいて過少申告加算税も支払いました。調査では「問題なし」だったのですが、修正していなかったら交際費の一部が否認されたかどうかは、おっしゃるようにわかりません。
 まあ、そんなに大きな「改革」ではありませんけど、このように、税に関してそれまで「常識」のように捉えられていたことも変化していくわけですね。そうしたことも含めて、プロとしてお客様をしっかりサポートできるよう、研鑽を重ねていきたいと思っています。

※税務調査には、「任意調査」のほか、国税庁査察部が裁判所の令状を取って行う「強制調査」がある。

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