ところで、何ができるの? 「NPO法人」
ところで、何ができるの? 「NPO法人」

2017/7/10

 
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「NPO法人」の存在は、誰もが知っているはず。でも、「どんなことができて、どんなメリットがあるのか?」「どうやったら設立できるの?」「そもそも、普通の企業とどこが違うのか?」と問われたら、答えに困る人が多いのではないでしょうか。今回は、そんなNPO法人を数多く顧問先に持つ税理士の石田昇吾先生(クライサー税理士法人代表社員)に、事例を交えてお話をお伺いいたします。

行政、企業に次ぐ“第3の担い手”

「非営利」だから稼ぐのはダメ?


「NPO法人」は「非営利」なのが特徴ですよね?

はい、そうです。「NPO」は「Non Profit Organization」の略で、直訳すれば「非営利組織」になります。最初に総論的なことを申し上げると、従来、私たちが暮らす社会は、公益の分野を担う行政と、利潤追求を目指すことでいろんなモノやサービスを生み出す私企業の2つによって支えられてきました。ところが、社会が拡大し、人々の生活様式や意識などが多様化するにつれ、行政にできることにも限界が見え始めたわけです。そこで、公益の分野にも民間の知恵や力を導入し、社会の“第3の担い手”として活躍してもらおう、そのために国としても必要な支援をしていこう、という社会的要請が、NPOが広がってきた背景にはあるんですね。
 ちなみに、NPOは任意団体として活動することも可能ですが、法人格を持つこともできます。日本の場合、そうした「NPO法人」は、1998年に施行された法律に基づいて「特定非営利活動法人」と呼ばれます。ここでは、そのNPO法人について話を進めていきましょう。ところで、「非営利」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?

なにか、儲けてはいけないような……。

そういう誤解がけっこう多いんですよ。NPO法人は利益を出してはいけないのではないか、と。実は、そんなことはないのです。「収益を上げるのは構いません。ただし、それは今後の活動の資金に充ててください。スタッフや会員で分配したりしてはいけませんよ」。簡単に言えば、それが決まりなのです。企業で言えば社長に当たる理事長が多額の報酬を得ることなどは、許されないんですね。
 ただし、これも誤解なきように申し上げておくと、ボランティアによって支えられることが多いNPOではありますが「メンバーはボランティアでなければNG」ということではありません。中には給料をもらって働くスタッフもいます。そうした給料は、さきほどの「利益の分配」ではなく、経費として扱われるんですよ。

みんなが無給では、組織の維持自体が困難になってしまう場合もあるでしょう。

ですから、「利益を出してはいけない」どころか、ちゃんと事業として「儲けて」いかないと、活動は先細りの危険性が大きいとも言えるのです。

会計は、一般企業とびっくりするくらい違う


まず、気になる「初期費用」ですが、株式会社のように、資本金、登録免許税、定款(※1)認証手数料といったものは必要ありません。設立登記申請時に使う法人の実印作製費用とか、登記簿謄本とか、合わせてせいぜい数万円の範囲で済むはずです。
 ただし手続的には、基本的に公証役場で行う定款の承認と、法務局でやる設立登記申請の2つでいい株式会社と違い、所轄庁(※2)、例えば東京都だったら都の生活文化局というところにある担当課に設立申請し、その審査を受けなくてはなりません。正直、普通の会社をつくるよりも若干の大変さはありますね。事業計画書や収支予算書の原案作成から、設立申請書類の作成、定款の決議、申請、審査、設立登記申請までで、スムーズに行って、だいたい3ヵ月くらいはかかります。

では、あらためてNPO法人は一般企業とどんな違いがあるのか、教えてください。

株式会社は、定款をうまく作れば、非常に幅広い事業を展開することが可能です。何でもできるように定款を工夫すると言ってもいいでしょう。しかし、NPO法人の場合は、そもそも「やれること」が決まっているんですね。法律では、「特定非営利活動」として、「保健、医療又は福祉の増進」「社会教育の推進」など20種類が定められていて(表1)、ここから外れる活動はすることができないのです。

【表1】

1. 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
2. 社会教育の推進を図る活動
3. まちづくりの推進を図る活動
4. 観光の振興を図る活動
5. 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
6. 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
7. 環境の保全を図る活動
8. 災害救援活動
9. 地域安全活動
10. 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
11. 国際協力の活動
12. 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
13. 子どもの健全育成を図る活動
14. 情報化社会の発展を図る活動
15. 科学技術の振興を図る活動
16. 経済活動の活性化を図る活動
17. 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
18. 消費者の保護を図る活動
19. 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
20. 前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動

 なおかつ、設立時の定款には、さらに具体的な活動内容の記載が求められます。一般の会社のように、法人を立ち上げてから周辺分野に事業の幅を広げるといったことは、基本的に困難だと考えてください。
 さらに、私たちが直接関与する会計、税務についても、かなり大きな違いがあるんですよ。会計に関して言うと、株式会社のレポートは、賃借対照表と損益計算書が中心になるわけですけど、NPO法人の場合は、毎年、事業収支計算書や財産目録の提出を求められます。「決算報告書」の様式自体が違う。私自身、以前勤めていた会計事務所で初めてNPO法人のお手伝いをした時には、「こんなに違うのか」と非常にびっくりしました。
 ですから、一般的な会計ソフトでは対応不能。普通の会社で経理のベテランだった人が、「なんとかなるだろう」とやってみたら、ぜんぜん無理で、当事務所にサポートを依頼にいらっしゃった、なんていうこともあります。


そういう違いは、NPOが「非営利」だから生まれるのでしょうか?

それが一番の理由だと思います。
 会計については、同時に、一般企業に比べてより「公明正大な」対応が求められる傾向が強い、ということも申し上げておきましょう。普通の会社がいい加減でいいということではないですよ(笑)。ただ、例えば予算の決め方についても、多少社長の“腹づもり”を反映して数字を作っていくといったことが、一般企業の場合にはあると思います。しかし、あくまでも社会貢献を目的とするNPO法人では、「ありのままの」「間違いのない」数字の策定が課せられているのです。そのことが、これからお話しするNPO法人に対する税制上の優遇措置の、いわば前提条件にもなっているわけです。
※1 定款:
会社、公益法人、社団法人の目的、組織、活動などに関する根本規則。また、それを定めた書面のこと。
※2 所轄庁:
NPO法人の認証権及び監督権を持つ行政機関。原則として主たる事務所が所在する都道府県となるが、その事務所が1つの指定都市の区域内のみに所在する場合は、当該指定都市となる。

寄付は課税されないNPO法人

外国人留学生のビザを代理で申請。これは「課税」か「非課税」か?


述べてきたように、NPO法人は社会貢献に関わる活動をしていますから、事業収入だけでは、やっていけない現実があります。内閣府の「平成26年度特定非営利活動法人及び市民の社会貢献に関する実態調査」によれば、NPO法人の財源は、全体(1,294団体)の平均で、会費6.1%、寄付金11.1%、補助金・助成金17.3%、事業収益63.6%などとなっているんですよ。

寄付や補助金などが大事な収入源になっているのが、よくわかります。

このうち、会費と寄付金、補助金には、原則として税金がかかりません。寄付に関しては、一般の企業が寄付を受ければ、普通に収入に計上されて法人税の課税対象になりますが、NPO法人の場合は非課税なんですね。そこが、株式会社との税制上の大きな違い、すなわちNPOの最大のメリットと言っていいでしょう。
 さて、税務上難しいのは、事業収入の部分なんですよ。「その収入に課税されるのか、非課税でいけるのか」の判断が、容易ではないケースが多いのです。

社会貢献しているから、すべて非課税というわけにはいかないわけですね。

教科書的に言うと、「NPO法人であっても、法人税法で『収益事業』とされている事業を行った場合には、その売り上げに対して課税される」ことになっています。「収益事業」には、「物品販売業」「不動産販売業」「金銭貸付業」など34種類が定められているんですね。これらに該当しない、例えば収入が「保育事業」オンリーのNPO法人だったら、まったく課税はされません。逆に、どんなに社会貢献していても、34業種に数えられるために事業収入の全部が課税対象になることもあるし、事業の一部に課税されることもあるわけです。

「何をやるのか」によって、課税されるかされないのかが違ってくるのですね。でも、「34種類」と決まっているのなら、その判断自体は、そんなに難しくないようにも感じるのですが。

ところが、そうではないのです。実際あった事例でお話ししてみましょう。
 当事務所のお客様で、外国人留学生のビザ申請などの代行を行うNPO法人があります。そうやって、日本にやってくる留学生の支援をしているわけですね。実は、このNPO法人は、他の会計事務所からの切り替えで担当させていただいたのですが、当事務所にいらっしゃった時には、その事業が課税扱いになっていたんですよ。
 さっきの34業種でいう「斡旋業」に当たるという判断だったのでしょう。でも、法人税法上の斡旋業というのは、例えば結婚相談所とかの大規模な事業を指すんですね。個人の手続きの代行などはこれに含まれない、という判例があったのです。ですから、このNPO法人の事業は、斡旋業には当たらないと解釈できます。そこで、速やかにその収入を課税対象から外す手続きをして、税務署にも認めてもらいました。

なるほど。どこまでが「斡旋業」なのかについて、解釈の余地があるのですね。当然、他の業種についても、同じような問題が発生するでしょう。

その通り。これがなかなか難物で、税務署によって判断が違ったりすることさえあるほど「やっかい」なんですよ。
「課税か非課税か」という点では、こういう問題もあります。さきほど述べたように、会員から会費として集めたお金には、税金はかかりません。例えば、少年サッカーチームの支援を目的としたNPO法人に支払われた会費は、非課税扱いなんですね。ところが、レッスン料という形でコーチが受け取ったとすると、それはさきほどの34業種の「技芸教授料」に該当するため、課税対象になります。同じように、NPO法人を通じてシューズを購入すれば、その売り上げは「物品販売業」で課税されるのです。

う~ん、会費にするかレッスン料として徴収するかというのも、微妙なところですね(笑)。

そうした知識が不足しているために、課税される事業とされないものがごっちゃになってしまっているNPO法人も、少なくないんですよ。ですから、私たちが経理をサポートする場合には、まずはそのお金の入口のところをきちんと分類していただくことが、大事なポイントになるのです。

「一般企業と違う会計、税務のややこしさ」というのが、そういうところにあるわけですね。

さらに「優遇」されるNPO法人がある?

寄付したら税金が控除される「認定NPO」って?


冒頭で、「国のやってきた公益の分野に、民間の知恵と力を導入するのがNPOだ」ということを申し上げました。実は、そうした趣旨をより明確にしたNPO法人を認め、税制上さらに優遇する制度があるんですよ。「認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)制度」と言います。
 さきほどお話ししたように、NPO法人に寄付されたお金には課税されません。この認定NPO法人になると、それに加えて法人に寄付した人も税額控除を受けられるのが、最大のポイントです。寄付する側からすれば、普通のNPO法人には、お金を出すだけ。ところが認定NPOへの寄付ならば、出したぶんに応じて支払う税金が減るというわけです。

社会貢献して税金が減るのならば、こんなにいいことはありません。積極的にお金を出そうかというインセンティブになるでしょう。

このほか、「法人が寄付をした場合には、経費として扱える寄付金の限度額が増える」「相続人が相続財産を寄付したら、そのぶんの相続税は非課税になる」ことが定められています。また、認定NPO法人自身も、事業で得た利益を本来の目的である非収益事業に使った場合には、それを寄付金としてみなして一定の範囲で損金に算入できる「みなし寄付金制度」が活用できるというメリットがあります。
 さきほど、「NPO法人全体で、収入に寄付金の占める割合が11.1%」という話をしましたよね。この寄付の割合が、認定NPOの場合は、26.9%にまで高まるんですよ。ちなみに、「非認定NPO」では、その数字は僅か1.3%です。

「認定」取得の効果のほどは、明らかです。

あえて付言すれば、寄付する人間に税額控除を行って、寄付した先にも課税しなければ、そのお金のやり取りに関する国の税収はマイナスということになります。そうまでして、「いいNPO」を育てたいという意思の表れだと言うこともできるでしょう。

「認定」の要件はどうなっているのか?


ただ、行政がそこまで面倒をみるぶん、認定のハードルは高そうです。

そうですね。1円でも多く寄付金を集めたいNPOにとっては、「なんとか欲しい認定」なのですけれど、おっしゃるように、厳しい要件をクリアする必要があります。 認定の基準は、(表2)に示した8つです。

【表2】

1. パブリック・サポート・テスト(PST)に適合すること(特例認定は除きます。)
2. 事業活動において、共益的な活動の占める割合が、50%未満であること
3. 運営組織及び経理が適切であること
4. 事業活動の内容が適切であること
5. 情報公開を適切に行っていること
6. 事業報告書等を所轄庁に提出していること
7. 法令違反、不正の行為、公益に反する事実がないこと
8. 設立の日から1年を超える期間が経過していること

基準1の「パブリック・サポート・テスト」(PST)というのは、広く市民から支援を受けているかどうかを判断するための基準で、判定のポイントになるものです。①経常収入金額のうち寄付金収入の割合が20%以上=相対値基準、②年の寄付額が3,000円以上の寄付者が年平均100人以上=絶対値基準、③都道府県または市町村から個別に指定を受けている=条例個別指定――の3つの基準があって、いずれか1つを満たせばOKということになっています。


寄付の実態などによって、活動がどれだけの広がりを持っているのかを評価するわけですね。

そうです。基準2の「共益的な活動」というのは、平たく言えば役員や会員といった「“身内”のための活動」で、事業費の中身などによって評価されます。当然のことながら、その比率が低いほど、多く「公益的活動」に携わっていて「認定にふさわしい」ということになるでしょう。また基準3では、特定の法人や親族グループなどによって、NPO法人が支配されていないかどうか、などが評価されます。
 基準4の「事業活動の内容」で具体的に確認されるのは、宗教活動や政治活動、特定の政党の支持活動を行っていないこと、役員などに特別の利益を与えていないことなどになります。さらに、認定NPO法人には、従来よりも多くの寄付金が集まることなどを考慮し、基準5として、より透明性の高い情報公開、具体的には閲覧書類の範囲の拡大が要件とされるのです。このほか、公益のために活動するのが目的のNPO法人に、それに反する行為があっては話になりませんから、基準7で厳しいチェックが行われるわけです。
 認定を受けようとするNPO法人は、自らがこれらの基準に適合している事実を説明する書類を所轄庁に提出し、実態調査も含めたその審査を経て、「認定」「不認定」の判断を仰ぐことになります。

実態調査って、どんなことをするのですか?

当事務所でも認定を取るサポートをしたことがあるのですが、東京都の担当者が、現場の視察に来るんですね。で、会計帳簿をチェックしたり、申請通りの活動実態があるか、実際に人は揃っているのかといったことを調べたりする。イメージとしては、税務調査みたいな感じでしょうか(笑)。
 そもそも、申請書類の枚数自体が膨大なうえに、そうした調査にもきちんと対応しなければなりませんから、「認定」へのチャレンジは実務的にも大変。そういう意味でも、ハードルは高いのです。ですから、しっかりした理念、活動方針、組織力などが必要になるんですね。逆に言うと、そうしたNPO法人にこそ、ステップアップのチャンスがあるわけです。
 なお、設立後5年に満たないNPO法人の場合には、さきほどのPSTが免除される「特例認定NPO法人」の指定を受けることもできます。

「特例認定」ですか。どんな制度なのか教えてください。

要するに、「出来たばかりだけれど、公益性などの点から将来性のあるNPO法人の立ち上がりをサポートしよう」というものなんですね。この場合も、設立後1年超が経過していて、運営組織や事業活動が適正であることなど、PSTへの適合を除く基準をクリアする必要がありますが、やはり税制上の優遇措置を受けることができるんですよ。ただし、寄付者が控除を受けられるのは、個人と法人の直接的な寄付で、相続財産についてはその対象外になります。NPO法人自身の「みなし寄付金制度」も適用されません。

今、認定NPO法人は全国にどれくらいあるのですか?

内閣府調べで、2017年4月末現在、今お話しした「特例認定」も含め1,021団体となっています。同時期のNPO法人の総数は51,508団体ですから、全体の2%弱に過ぎないことになりますね。

小児がんの子どもたちをサポートするNPO


先生の事務所でも、実際に認定のサポートをしたというお話がありましたが、具体的にどんなNPO法人なのでしょう?

ひとことで言うと、病院で小児がんの治療を受けている子どもたちに「セラピードッグ」を派遣する、という事業に取り組んでいます。子どもたちの近くに犬が寄り添って、病と闘う彼らの心のケアをするわけですね。日本ではまだ少ない、そんな犬たちの訓練をしているのです。
 実は、そこの理事長はアメリカ人です。自分のお子さんが小児がんになって、どこで治療させるべきかと世界各国の医療実態を調べた結果、日本がずば抜けているということで、こちらで入院させたんですね。残念ながら、お子さんは亡くなってしまったのですが、評判通り治療は素晴らしかった。ところが、先生たちが忙しすぎて、患者の心のケアまで手が回らない現実があったわけです。そこで、その部分をフォローする仕事を自分はしたいと、NPO法人を立ち上げたんですよ。

聞くからに公益性の高い、まさにNPOにぴったりな事業に思えます。

「認定」を取りたいNPO法人は数多くあるのですけど、どうしてもさきほどの「共益的活動」のウエートが高かったりして、基準を満たすのが難しいんですね。その点、このNPO法人の場合は、役員にも趣旨に賛同したお医者さんとか大学の先生とかが就いてくれましたから、「同族的」なそころもまったくありませんでした。まあそれでも、認定を受けるのは、一筋縄ではいきませんでしたけど(笑)。

認定NPO法人になって、寄付は増えましたか?

はい、そこは期待通りの結果になりましたね。認定を受けたのは4年ほど前なんですけど、がんの子どもたちをケアする体制の強化に、大いに役立っていますよ。

「気持ち」だけでは難しいNPOの運営


ずっと「NPO法人とはどういうものか」についてお話しいただきましたが、あえてこの制度の課題を挙げると、どういうところにあるとお考えですか?

そうですね、ある志を持って社会貢献活動に取り組もうという人たちにとっては、すごくいい仕組みだと思うのです。ただ、現実にはこの「入れ物」を悪用するようなケースが報道されたりしますよね。「寄付は課税されない」というNPO法人の特質を、言葉は悪いですが、私腹を肥やす抜け道に使う。そうした存在が、NPOの社会的な信頼に傷をつけ、健全な発展に水を差すのは明らかでしょう。そこには、行政サイドできちんと“蓋”をしてもらいたいと感じています。
 同時に、「志」だけでは活動の継続が難しいという現実にも、しっかり目を向けて欲しいんですね。前にも触れましたけど、NPO法人を運営して、目指す社会貢献をしようと思ったら、そのために発生するコストから目を背けるわけにはいきません。それこそ、認定NPO法人にでもならない限り、多くを善意の寄付に頼って組織を維持していくというのは、至難の業なんですね。となれば、ある程度計算のできる事業収入を上げていく必要がある。そこを考えずに、「気持ち先行」で走ると、結局やりたいこともできない状況に陥る危険性もあるわけです。
 あえてネガティブなことも言いましたけど、日本全体を見渡せば、まだまだNPOの活躍できる余地は大きいし、そうした社会的要請も広がっていると思います。「志」が現実に結びつくように、これからもサポートを続けていきたいですね。

それがどこの事務所でもできることではないというのも、お話をうかがってきてよくわかりました。NPO法人の維持・発展のためには、その現場を知り尽くしたプロのサポートが、大きな力になりそうです。
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