その副業、確定申告が必要です
その副業、確定申告が必要です

2019/2/18

 
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今年も確定申告の季節になりました。新しく事業を始めた方にとっては、初めての申告ということになります。ただし、確定申告が必要になるのは、個人事業主ばかりではありません。「自分には関係ない」と思い込んでいると、後で痛い目をみることも。今回は、確定申告の「そもそも」について、ヒコーキ税理士事務所の塩澤和也先生にうかがいます。

申告で税金が戻ってくることもある

「確定申告」という言葉はよく耳にしても、実はどういうものなのかわかっていない人は、多いのではないでしょうか。
一般のサラリーマンの方にとっては、お給料から税金が差し引かれるため、確定申告は関係ないと考える方も多いでしょう。でも、サラリーマンでも、確定申告の必要になる場合があるんですよ。そうしたことも含めて、「確定申告とは何か」についてお話ししてみたいと思います。
 所得税は、1月1日から12月31日までに稼いだ利益=所得に対して課税されます。個人事業主の場合は、収入から必要経費、要するに業務に必要だと認められる経費を差し引いたものが所得です。ひと言で言えば、この所得がいくらで、そこかれ計算される税金がいくらかということを、申告書や決算書などの書類をそろえて税務署に申告する手続きが確定申告なのです。申告には期限が決められていて、翌年の3月15日までに行わなければなりません。
もし、期限に遅れたりすると?
本来支払うべき税金とは別に、ペナルティの性格を持った「加算税」や「延滞税」が、遅れた分だけ課せられることもあるんですね。所得を意図的に隠した、といった悪質な税逃れが発覚した場合の「重加算税」の加算税割合は、最大50%になります。
悪質性はそんなになくても、忘れていたとか、忙しさにかまけてつい、といったケースは、けっこうあるような気がします。
そうですね。私も「過去3年分の申告をしてほしい」という依頼を受けたことがあります。こうした場合、自ら申告するのと、何かのきっかけで税務署に捕捉されてしまったのとでは、結果は大きく違ってきます。無申告の状態で、「いつ税務署からお呼びがかかるか」とヒヤヒヤしているくらいなら、すぐに税理士に相談して対策を考えることをお勧めします。
 それに、確定申告をすることによって、納めすぎた税金が返ってくることもあるんですよ。
それは、どういうケースでしょうか?
個人事業主であっても、受け取った報酬が支払元で源泉徴収されている場合があります。その時には、サラリーマンの年末調整と同じで、もし「納め過ぎ」の状態であれば、確定申告をすることによって税金が戻ってくるのです。
 また、さまざまな控除が適用できる場合もあります。実は、先ほどお話しした3年分の申告をした方は、住宅ローンを組んでいたために、年間最大40万円の「住宅ローン控除」を使うことができました。おかげで、控除が適用される所得税に関しては、「おつり」がきました。結果的に、延滞税を含む住民税を支払っても、トータルの税額は、そんなに大きなものにはならなかったんですよ。
ちゃんと申告をしないと、場合によっては損をすることもあるということですね。
ちなみに、確定申告は5年遡ってすることができます。

申告すると、副業が会社にバレる……

さきほど、サラリーマンでも確定申告の必要な場合がある、というお話がありました。
確定申告をしなくてはならないのは、個人事業主の他に、配当所得や不動産所得などがあった人。そして、サラリーマンでも、給与収入が2000万円を超えている場合、2ヵ所以上の会社から給与を受け取っている場合、さらに副業をしている場合には、その所得を申告しなければならないんですよ。副業に関しては、パートやアルバイトの場合は収入が20万円超、それ以外の内職などの場合は所得(収入-必要経費)が20万円超であれば申告が必要になるのです。
先生のところには、副業についての確定申告の依頼も多いのですか?
はい、増えています。けっこう多いのが、「会社で副業は禁止されているのだけれど、申告はどうしたらいいでしょう?」という相談です。確定申告はしないとまずい。とはいえ、申告したら会社に副業をしていることがバレてしまうのではないか、というわけです。
「働き方改革」の絡みもあって、副業を解禁する企業も増えていますけど、まだそうでないところも多いでしょう。先生は、どう対応なさるのですか?
もちろん、きちんと申告するようにアドバイスします。申告のやり方によって、ほぼ確実に、会社にはわからないようにすることも可能ですから。
どのような方法なのでしょう?
会社にわかってしまうとすると、住民税の金額なんですね。自治体から、「これだけの住民税を徴収してください」という通知が勤務する会社に届くのですが、その内容によっては、「うちの給料以外に、何か収入があるはずだ」という話になるわけです。
 ただし、住民税に関しては、給与から差し引くか、自分で納めるかを選択できるんですよ。後者を選べば、副業にかかる住民税が会社に通知されることはありません。別途、自治体から納付書が送られてきますから、それで支払えばいいのです。
今のようなケースでも、「会社バレ」を恐れて確定申告を躊躇したりするほうが、よほどリスクが大きそうです。
そういうことです。
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